安息日学校部

第13課 聴覚しょうがい者用 藤田昌孝

2022年第1期「終わりの時代に生きる」

PDFダウンロード ルビ付きはこちらからご覧ください

第12課  兄弟愛を続けなさい  藤田昌孝

 

1.安息日午後

ヘブライ人への手紙は、私たちが互いに、兄弟愛をもって励まし合うことを勧めています。それは私たちの信仰が、「信仰の友・信仰の兄弟姉妹」の中で育まれ、支えられてゆくからです。

 

2.日曜日:神の民を思いやる

ヘブライ13:1、2

兄弟としていつも愛し合いなさい(13:1)。

旅人をもてなすことを忘れてはいけません。そうすることで、ある人たちは、気づかずに天使たちをもてなしました(13:2)。

人をもてなすことは、他の人と財産を分かち合うことを意味しています。また、他者のために苦しむことをも意味します。ただしそれは、イエス様が私たちにしてくださったことです。

 

ヘブライ13:3

自分も一緒に捕らわれているつもりで、牢に捕らわれている人たちを思いやり、また、自分も体を持って生きているのですから、虐待されている人たちのことを思いやりなさい(13:3)。

獄中の人を思いやるとは、物質的な支援と精神的な支援をもって、獄中の方々に救いの手を差し伸べることを意味します。

もし、自分が同じ獄中に置かれたとしたら、どうしてほしいかを考えて、「あなたは決して見捨てられてはいない」ということを伝えるために、支援すべきだとパウロは勧めます。

 

3.月曜日:食欲と性的不道徳

ヘブライ13:4

結婚はすべての人に尊ばれるべきであり、夫婦の関係は汚してはなりません。神は、みだらな者や姦淫する者を裁かれるのです(13:4)。

パウロは結婚が尊ばれるべきであると勧めます。結婚を軽んじる行為は避けるべきです。結婚の誓いをやぶることや聖書が認めていない離婚も避けるべきです。

また「夫婦の関係を汚してはならない」という勧告は、結婚以外での性的関係を禁じるということです。

 

ヘブライ13:5

金銭に執着しない生活をし、今持っているもので満足しなさい。神御自身、「わたしは、決してあなたから離れず、決してあなたを置き去りにはしない」と言われました(13:5)。

「金銭の欲」は、古代ギリシア・ローマの社会において、おもな社会悪の一つでした。

そこでパウロは、「金銭の欲」から身を守るための防衛策を教えます。その一つは「自分が持っているもので満足すること」でした。もう一つは、「神様は私たちを貧困の中に決して置き去りにはしない」という信仰を持つことでした。

 

4.火曜日:指導者たちのことを思い出しなさい

ヘブライ13:7

あなたがたに神の言葉を語った指導者たちのことを、思い出しなさい。彼らの生涯の終わりをしっかり見て、その信仰を見倣いなさい(13:7)。

パウロは教会の指導者たちを敬い、彼らに従うように勧めます。また、過去における指導者たちの言葉をも大切にするように勧告します。

信仰者は高慢になって、ひとりよがりの信仰を持ってはなりません。指導者たちの意見を謙遜に聞く態度が必要です。

 

ヘブライ13:8

イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない方です(13:8)。

なによりも、私たちはイエス様を見習うべきです。イエス様は永遠に変わることのないお方だからです。

イエス様を中心とした指導者と信徒たちが一つになるところには、大きな喜びが生まれます。

 

5.水曜日:いろいろな異なった教えに迷わされず

ヘブライ13:9

いろいろ異なった教えに迷わされてはなりません。食べ物ではなく、恵みによって心が強められるのはよいことです。食物の規定に従って生活した者は、益を受けませんでした(13:9)。

ここで言われている食物の規定とは、ガイドの説明によれば「清い食物と汚れた食べ物を区別すること」ではありません。ここで言われている食物の規定とは、ユダヤの神殿で行われる儀式が、引き続いて、家庭でも行われ、家庭の食事が儀式化されていたことを言っているのだと思われます。

イエス様の恵みこそが、人の心に平安と安定をもたらします。当時のユダヤ人クリスチャンが異なった教えや、もとのユダヤ教に押し流されないように、パウロは警告しています。

 

6.木曜日:宿営の外のキリストのもとに行く

ヘブライ13:11~12

なぜなら、罪を贖うための動物の血は、大祭司によって聖所に運び入れられますが、その体は宿営の外で焼かれるからです(13:11)。

それで、イエスもまた、御自分の血で民を聖なる者とするために、門の外で苦難に遭われたのです(13:12)。

古代イスラエルにおいて宿営の外は汚れた場所でした。犠牲として献げられた動物の死体はそこで焼かれました。

イエス様もエルサレムの城壁の外で十字架につけられました。これはイエス様がイスラエルの民に拒まれ、罪人とされたからです。

 

ヘブライ13:13

だから、わたしたちは、イエスが受けられた辱めを担い、宿営の外に出て、そのみもとに赴こうではありませんか(13:13)。

そこでパウロは自分たちも、イエス様が受けられた辱めを共に負おうではないか、と勧めます。迫害に耐えようではないか、と勧めます。それはイエス様のみもとに赴くことなのだ、と励ますのです。

 

ヘブライ13:14

わたしたちはこの地上に永続する都を持っておらず、来るべき都を探し求めているのです(13:14)。

パウロは、この世に執着するのではなくて、天の御国を目指して行こう、と勧めます。

 

7.金曜日:さらなる研究

私たちの信仰生活はしばしば、イエス様との個人的関係であると考えられます。しかしこれは、信仰生活の一面に過ぎません。私たちは教会の中で、信仰の兄弟姉妹と共に信仰生活を送ります。教会での信仰生活もまた、私たちの信仰生活にはなくてはならない大切な事柄です。教会での信徒どうしの交わりは、私たちの信仰を正しく保たせ、神様との正しい関係を支えてくれるからです。