安息日学校部

第11課 聴覚しょうがい者用 関谷修一

2022年第2期「創世記」

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第11課   夢の達人ヨセフ  関谷修一

 

1.安息日午後

創世記の最後の部分には、ヨセフの物語のために多くのページが使われています。アブラハムの曾孫にあたるヨセフは家庭で、外国で、そして人々との関係で、たくさんの問題を抱えながら苦しみを経験した人でした。しかし、これらの試練をはるかに越えて、神は、どんなときにもヨセフと共にいて下さり、彼を支え、励まし、成長させて、悪い出来事をも救いの祝福へと導いていかれました。

 

2.日曜日:家族の問題

ヨセフは告げ口をする子供でしたし、父のヤコブはヨセフだけを特別に可愛がる親でした。また、それを見ながらヨセフの兄たちは、ヨセフを妬みました。そして、夢を通して兄たちがヨセフの前にひれ伏すことを聞かされたとき、兄たちはさらにヨセフを憎むようになったのです。そうです、この家庭には、問題がありました。ただ、夢が繰り返されたことから、ヤコブはこの出来事を心に留めることにしました。しかし、まだ、この夢の意味については、充分に理解されることはありませんでした。

 

3.月曜日:ヨセフ、襲われる

ヨセフの兄たちはヨセフを妬み、憎みました。しかし、神は、決してヨセフから離れることはありませんでした。彼が道に迷ったときも、兄たちから殺されそうになったときにも、共におられた主の助けがあったのです。しかし、心から神に従って生きようとしない時、私たち人間の心は、どこまでも残酷になります。肉親であるヨセフを殺そうとたくらんだ兄たちの心が、まさにそうでした。

兄たちの心にあった悪い思いは、私たちも持っている悪いものであることを覚えましょう。悪い心は、そのまま放っておくと、思いもしなかった悲しい出来事を作り出してしまうことがあります。そうなる前に、今、神の御言葉をお聞きしましょう。十字架の主にお従いして生きることによって、私たちの悪い思いをきれいにして頂かねばなりません。

 

4.火曜日:ユダとタマル

創世記38章を読んでみると、ここで突然、ヨセフの物語からタマルのお話に内容が変わっていくようです。でも実は、ここには悪い思いのあったヨセフの兄弟ユダが、兄弟と別れた後に、神によって家族が救いへとつながる不思議なできごとに導かれていったお話が書かれています。

お話の前半は、ユダと嫁のタマルとが姦淫の罪を犯してしまう悲しい出来事が書かれています。でも、そのタマルから生まれたペレツは、ダビデの父祖として救いの歴史に名前を残しました。また、姦淫の罪を犯したタマル自身も救い主の系図(マタイ1章)の中に記される4人の女性の1人となっています。

私たちの神は、恵みによって悪をも善に変えるために、ヨセフと兄弟たち、そして彼らと関わる多くの人たちの間で働いて下さいました。同じ神が、今日、私たちの間でもお働きになって下さっています。

 

5.水曜日:ヨセフ、エジプトの奴隷となる

ヨセフは、エジプトへ奴隷として売られてしまいました。そして無実の罪によって、青春の大切な時期を牢獄で過ごします。人の目には、まるで神から見捨てられたような苦しく、寂しい経験でした。しかし聖書は、「主が・・・共におられ」「主は・・・祝福し」(創39:2、3、5、21、23)て下さっていたと繰り返し記しています。神は、試練の中でも、ヨセフから離れることはありませんでした。いえ、困難の中だからこそ、神は、ヨセフと共に居てくださったのです。そして、おおくの試練の中でも、「主がうまく計らわれた」(創39:23)ので、全てが導かれていきました。「私は世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイ28:20)と言われる神の御言葉の確かさと力を瞑想してみましょう。

 

6.木曜日:ファラオの夢

ファラオの前の給仕役の長と料理役の長の二人が見た夢をヨセフが解き明かしたことから、同じように二つの夢を見たファラオの前に、ヨセフは召し出されることになりました。ファラオは自分が見た不吉な夢を告げ、ヨセフは、みごとに夢を解き明かして聞かせます。しかし、この解き明かしの力を与えられたのは、まぎれもなくヨセフと共におられた神でした。そしてファラオは、神の通りよき管として誠実に語るヨセフこそ、エジプトの大切な時期を乗り切るために必要な、相応しい人物であると認めました。

何と驚くべきことでしょうか。問題のあった家庭で育ち、兄弟から殺されそうになり、エジプトに奴隷として売られ、牢獄で大切な青春時代を過ごさねばならなかったヨセフでした。しかし、どんな時にもヨセフと共におられた神は、不思議な主のみわざの中で、ヨセフをエジプト全土の責任者にまでされたのです。

「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。」ローマ8:28

 

7.金曜日:さらなる研究

「彼に誠実な心を持ち続けさせたのは何であったろうか。・・・ヨセフは、少年時代に、神を愛しおそれることを教えられた。・・・彼は父のヤコブから、ベテルの夜の異象、天と地の間にかけられたはしごやそれを上り降りしていた天使たちや天のみ座からご自身をヤコブに表わした神についての物語をきかされた。・・・ヨセフは、自然を通して神と交わり、聖なる委託物として父から子へ伝えられたとうとい真理を学んで、堅実な精神と確固たる原則を身につけた。・・・ヨセフが・・・奴隷の運命が待ちうけているエジプトへの恐ろしい旅の途中に、肉親の住む天幕のかくれた山々を見納めたときに、かれは父ヤコブの神を心に覚えていた。」(『教育』:聖書ガイド87頁より抜粋)

 

■話し合いのための質問

たとえ毎日の生活がうまくいかないときにでも、「私は世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイ28:20)といわれるイエス・キリストの御言葉を信じ続けることができる秘訣は何だと思いますか。そして、どのようにしたら、共におられるキリストを見続けることができるのでしょうか。