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第1課 歴史を理解する―ゼルバベルとエズラ 柴田 寛
1.安息日午後:今週のテーマ
テキスト2ページに、今期の学びの目指すところが短く記されています。「神は彼らに、無気力状態から脱してリバイバルと改革を行うよう、御自分の僕たちを通して呼びかけられました。」私たちはエズラ記とネヘミヤ記を学ぶことによって、歴史に介入され驚くべき方法で「約束」を守られる神と出会います。それは、私たちが待ち望んでいるご再臨の「約束」の保証でもあるのです。長い捕囚生活によって希望を見失い、無気力な状態に陥っていたイスラエルの人々を覚まさせ、神の民の国イスラエルの再建に向かわせたのは、この約束を守られる神との「出会い」と「信頼心」からでした。私たちにも、この「出会い」と「信頼心」が必要です。
2.日曜日:捕囚の民の第一次帰還
ダニエルが、ペルシアの王キュロスに仕えながらイザヤやエレミヤ書を研究し、困惑を隠せないでいる姿が目に浮かびます。ある時ダニエルは、一世紀以上前にイザヤが預言していたキュロス(イザヤ44:28)という人物こそが、いま仕えている王であり、捕囚から70年目の年(エレミヤ25:12)にエルサレムの荒廃に終止符を打つに違いないと悟る一方で、目の前の“先を見通すことができない状況”に頭を抱えずにはいられなかったからです。
神はそんなダニエルに天使ガブリエルを送り、神が歴史を支配し、計画された未来をお持ちであることを、70週の預言(ダニエル9:24~27)をもって伝えられました。この真の解放者イエスを“計画通り送る”という預言は、先が見えずに取り乱しているすべての者にとっての希望であり慰めです。主は預言と成就を通し、「安心しなさい。私の計画は必ずなる」と諭し、安心を与えて下さっているのです。
3.月曜日:王たちと出来事の概観
エズラ記とネヘミヤ記は必ずしも年代順に記されていないのでややこしい印象を与えます。それはこの2つの書が単なるイスラエルの復興物語を伝える歴史書ではなく、霊的復興(リバイバル)を目標とした書であるからです(副読本11ページ参照)。テキストでは、「今期の研究を重ねるにつれ」そのメッセージが理解できてくると予告しています。
4.火曜日:捕囚の民の第二次帰還
捕囚の民の第二次帰還の出来事は重要です。この出来事は、紀元前457年に当時のペルシヤ王アルタクセルクセス王が発令した“エルサレム再建命令”であり、ダニエル9章に記されているメシヤ預言の起算点にあたるからです。この聖書の中でも、もっとも長い2300年という預言期間の開始の出来事に、エズラが抜擢されました。エズラは祭司の系統を引く書記官で、王から信頼され、能力、知力、指導力に優れ、主の律法に対しても忠実でした。またその信仰も素晴らしく、エルサレム帰還にあたっては護衛兵の同伴を求めませんでした(エズラ8:22)。神をまったく信頼していたからです。このエズラに率いられた第二次帰還の民は、今日の神の民の模範とも言えます。
5.水曜日:アルタクセルクセスの命令
紀元前457年は、エジプト人がペルシア政府に反乱を起こした年でもありました。そのような中、アルタクセルクセス王はイスラエルの民を寛大に扱いました。これは、これ以上の反乱を招かないための策だったとも言えます。いずれにせよ、主は、改心していない異教の王さえもお用いになり、主の目的を果たされます。
6.木曜日:教育の重要性
エズラは旧約聖書を自ら研究するだけでなく、教えることにも熱心でした。なぜならエズラは、御言葉の中に宣べ伝えずにはおれない、すばらしい希望を見出したからです。それは、神様が計画どおり、実際に私たちを救いに導いて下さっている、ということです。世には人間の空想からうまれた無力で何もできない神々があふれています。私たちはそのような何もできない神々とは、キッパリと別れなければなりません。そしてエズラのように、聖書に記された本当の希望を人々にお伝えいたしましょう。
7.金曜日:さらなる研究
「神の恵み深い思いが彼らに向けられているということを実感した民は、心から感謝し、喜んで一生懸命働こうとしました(エズラ7:27、28)。エズラとネヘミヤの神、イスラエルの導き手であり、宇宙の創造主が、謙遜に、神に対する態度を悔い改め、主の原則に従う人たちのいるところに住んでくださるのです。」(副読本7~8ページ)
【話し合いのための質問】
★:以下の「最善の行動」とは、どのような行動のことだと思いますか? 話し合ってみましょう。
「私たちの最善の行動は、神がどのようなお方であり、何を成し遂げてくださったのかを自覚することと、神が御自分の民のためにいかに愛情をもって介入してくださるかを知ることによってもたらされるのです。」(テキスト4ページの下から3行目)