聖書研究の教材を作るために、毛布を何枚も重ねたテーブルの下に隠れているアドベンチストの話を聞いたことがあるでしょうか? 氷で覆われた水の中で、密かにバプテスマを受けた人たちの話はどうでしょうか? 長年、世界では多くの変化が起こりました。しかし、変わらないことが一つあります。それは、クリスチャンになることや福音を伝えることが難しく、危険な地域があることです。
私たちは、情報が世界中を高速で伝わることに慣れてきました。ネットに何かを書き込むと、地球の裏からすぐに反応が返ってきます。しかし、昔からそうだったわけではありません。1800年代後半、アメリカから中国に手紙を送るのに1カ月以上かかることもありました。船では多くの時間がかかりましたが、今日、数秒でメッセージを届けることができます。
素晴らしいと思いますか?
宣教における瞬時のコミュニケーションは、祝福であり、福音宣教の新しい手段です。しかし、伝道が違法な地域や歓迎されない場所では、問題になることがあります。ネットに投稿された内容は、誰もが目にすることができ、アドベンチスト教会に反対する人たちは、騒ぎ立て、当局に通報し、閲覧できないようにすることができるのです。
これらの地域における神様の素晴らしい導きを感謝します。私たちは、その証を聞くのが大好きですが、現地の働き人や信徒たちを守る責任もあります。公開された証が、命を危険にさらし、宣教活動を停滞させることがあるからです。
だからこそ、そのような話に「ベール」をかけます。
「ベールに覆われた国」や「都市」とラベルの付けられた伝道地便りやビデオは、詳細を慎重に扱うべき地域で起こった証です。私たちは、実際の国や都市名、人名を隠しつつ、人々の命と教会の使命を守り、できる限り多くの証を共有します。
ピュー・リサーチセンターによると、2019年、宗教に対する政府の規制は2007年以来最も厳しくなりました。規制には、宗教的な働き人や活動、情報伝達、キリスト教の伝道資金にも影響する新しい法律が含まれています。
今、ベールで覆われた伝道地からの便りは、物語の全てを知ることはできませんが、反対、抑圧、迫害の中でも、神様が働き続けておられることを知ることができます。
どの話や写真がネットに掲載されるかわかりません。しかし、私たちはどの程度共有するかを常に考えています。証によって人々が福音を聞く機会を奪われたり、傷つけられ、殺されたりして欲しくはないからです。
神様はご自分の民を守ってくださいますが、私たちにも責任があります。
ですから、ベールに覆われた国や都市が出てきた時、その理由をご理解いただけると幸いです。困難な宣教地で働いている人々のためにお祈りください。そこは、もれ聞こえる言葉や会話が、むち打ちや逮捕、死に繋がる場所なのです。
いつの日か、ベールは取り除かれ、向こう側にいる人々に会えることでしょう。そして「あなたの話を聞いて、見知らぬあなたのために祈りましたよ」と伝えられるかもしれません。
世界中、特にベールに覆われた国々の伝道へのご支援を感謝いたします。
2022年4期アドベンチスト・ミッション