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第12課 悪しき決定に対処する 鈴木 優人
1.安息日午後
エズラとネヘミヤは、イスラエル人を神様との密接な関係へと導き入れることを望んでいました。しかし、残念ながらイスラエル人の間では他の民族との結婚が普通になっていたので、エズラとネヘミヤは心配になっていました。なぜなら偶像礼拝をする他の民族の人との結婚によって、イスラエルの中に偶像礼拝の影響が入ってくるからです。そしてそれはイスラエル人が神さまから背を向けることにつながりました。偶像礼拝は、まことの神との離婚を意味します。これは夫婦への影響だけでなく、子どもたちの信仰にも影響があります。「私たち人間は、主の愛に応答し、主の教えに信頼していく人生を送り、日々の暮らしで神の臨在意識を高め、神との関係を楽しめるように創造されました」(副読本120頁)。今週は、この問題にエズラとネヘミヤたちがどのように取り組んだのか学びます。
2.日曜日:ネヘミヤの反応
異宗婚によって生まれた子どもたちはユダヤ人が当時使っていたアラム語や、聖書に使われているヘブライ語を話さず、聖書の教えを理解することができませんでした。どの言語を使うかは、その人の物事の考え方にも影響を与えます。聖書の言語であるヘブライ語を失うことは彼らのヘブライ人(ユダヤ人)としての特別な自己認識(アイデンティティー)を失うことを意味しました。ユダヤ人は神様に選ばれた特別な民だったので、この自己認識が失われることは、神様との関係を失うことにも繋がりました。
これに対してネヘミヤは、律法によって規定されていた罰を執行しました。以前の学びにもあった通り、神様との契約には祝福と呪いの両方が含まれていました(申命記28章)。契約を守らなかった民に対して、ネヘミヤはその契約の呪いを話すことによって、民の誤った行為と選択の結果を自覚させる必要があったのです。
3.月曜日:ネヘミヤの叱責
ソロモンは「王は大勢の妻をめとって、心を迷わしてはならない」(申命記17:17)という神の命令を犯してしまった結果、神の礼拝者ではない女を選び、イエスラエルに偶像礼拝を持ち込んでしまうことになってしまいました。ネヘミヤはソロモンの例を持ち出して、反面教師としてユダヤの民に示しています。
異教徒との結婚は禁じられていましたが、これは民族主義的な理由ではなく、偶像礼拝に関する理由によるものでした。聖書の中にはイスラエル人ではない人と結婚した人たちがいます。例えばモーセはミディアン人のツィポラと結婚しました。ナフションの子サルモンはエリコの異邦人ラハブと結婚しました。ボアズはモアブ人ルツと結婚しました。この女性たちに共通していたのは、異邦人でありながらも神に献身したことでした。異教徒と結婚してはならないという命令の問題は、異教徒や信仰のない人との結婚を禁じるものです。神を土台とした結婚をすることは私達の幸福が最大となるように神様が導いてくださいます。
4.火曜日:エズラの反応
ユダヤ人たちは、異教徒との結婚が良くないこと、禁じられていることを聖書から読んで知っていました。しかし、なんと霊的指導者である祭司やレビ人たちですらこの罪を犯していたのです。エズラは、バビロン捕囚の原因を研究した結果、それは他の国々と入り混じってしまったことに原因があるということを突き止めていました。ユダヤ人たちが神様の命令を守り、他の国々の人々から離れていたならば、悲しい結果にはなりませんでした。しかし、霊的指導者たちが、敢えて律法を犯しているということを知ったエズラは悲しみました。人々は、いけないことだとわかっていて罪を犯していたのです。その過ちがどれほど重大であるかを人々はやっと気づいたのです。
5.水曜日:行動するエズラ
エズラは外国人の妻と子どもたちを追放するよう命じました。それに対してユダヤの会衆全体(4人を除いて)が一致してこれに同意しました。最終的に111人のユダの男たちが妻を追放しました(エズラ10:18〜43)。荒療治のようですが、完全に神様に従うために、ユダヤ人たちにとって必要な決断でした。彼らは神様とやり直そうとしていたことを覚えておく必要があります。律法に違反した結婚はそもそも合法的な結婚ではないため、異教徒と「離縁する」ことは無効な結婚関係を解消することを意味しました。
しかし、それからしばらくしてまた、異なる信仰をもつ女たちと結婚する者が出始めました。わたしたちは神様に対する献身の気持ちが浮き沈みしてしまうことがあります。神様を第一にできないときがあることに苦しむことがあります。
6.木曜日:今日の結婚
エズラ記やネヘミヤ記から、神様が結婚を重視しておられることを学びました。わたしたちも結婚を重視する必要があります。決断を下すためにはよく祈り、神を含め、神の原則に従って決定しなければなりません。Iコリント7:10〜17でパウロはクリスチャンが信者ではない伴侶をもつ問題について扱っています。神さまは、結婚における釣り合いのとれたくびきの関係を重視しておられます。神への献身を勧めない人との結婚はサタンを喜ばせるものになります。夫婦が同じ信仰を持ち、ともに献身することは、片方だけが忠実な信徒である場合よりも、強力な宣教活動を行うことができます。
聖書は、これから結婚する人たちに対しては不釣り合いなくびきの結婚をやめるように勧告していますが、すでに信者ではない人と結婚した人たちに対しては、神様は御自分と伴侶に対して忠実であるように力づけてくださいます。御旨に反する選択をすることで神様に見捨てられることはありませんが、私達がなんでもしたいことをして祝福を期待できるという意味ではありません。謙遜な心をもって神様のみもとへ行くときに、神様はいつも聞いてくださいます。神様のめぐみに感謝しましょう。
7.金曜日:さらなる研究
現代のわたしたちは、自分の信仰や家族の信仰を守るうえで助けとなるどのような原則を聖書からえることができますか。考えてみましょう。