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はじめに
今期は「マルコによる福音書」を学んでいきます。イエス様が何者(誰)であるかを伝えるために書かれた福音書です。出来事を知るだけでなく、イエス様と出会い、一緒に進んでいきましょう。
第1課 福音のはじめ 伊藤裕史
1.安息日午後
[暗唱聖句]
ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤへ行き、神の福音を宣べ伝えて、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。(マルコ1:14、15、新共同訳)
イエス様が人々に神様のことを伝えた最初の言葉です。今週、イエス様が人々にどのようなことを伝えようとしたか、ぜひ考えてみて下さい。
2.日曜日(にちようび):失敗した宣教師
ガイドは著者である(書いた人のこと)マルコとはどんな人物であるかについて説明をしています。
パウロとその一行は、パフォスから船出してパンフィリア州のペルゲに来たが、ヨハネは一行と別れてエルサレムに帰ってしまった。(使徒言行録13:13)
マルコによる福音書を書いたのはヨハネ・マルコと言われています。使徒言行録13章でサウロ(のちのパウロ)とバルナバの伝道旅行にいっしょに出かけています。(使徒13:5)でも、若いマルコはすぐにエルサレムに帰ってしまったのです(使徒13:13)。当時の伝道旅行は本当に難しいものだったにちがいありません。
3.月曜日:やり直しの機会
パウロは、前にパンフィリア州で自分たちから離れ、宣教に一緒に行かなかったような者は、連れて行くべきでないと考えた。(使徒言行録15:38)
パウロは一度逃げ出したマルコをまた伝道旅行に連れていくことに賛成しませんでした。しかしバルナバはもう一度伝道旅行にマルコを連れて行こうとします。そこでバルナバとパウロは別々に伝道旅行に行くことになったのです。
バルナバによって伝道旅行に行くチャンスをもらったマルコは、バルナバの信頼にこたえて大きく成長したのでしょう。いっしょに連れていくことに反対していたパウロでしたが、あとで書いた手紙の中で、マルコのことを大切な神の働き人と言っています。このマルコが福音書を書いたのです。
4.火曜日(かようび):使者
マルコによる福音書1:1‐8まで読んで見ましょう。
神の子イエス・キリストの福音の初め。(マルコ1:1)
マルコ1:1はギリシャ語では「初めに」という言葉から始まっています。マルコによる福音書は、福音書の中で一番最初に書かれたものです。旧約聖書の創世記が「初めに」という言葉で始まっているのと同じです。新約聖書は旧約聖書を土台として書かれているのです。マルコが引用している旧約聖書が問5、問6に出ています。いっしょに読んで見ましょう。(出エジプト23:20、イザヤ40:3、マラキ3:1です。)
5.水曜日: イエスのバプテスマ
「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。(マルコ1:11)
イエス様がバプテスマをお受けになった時に何が起こったのでしょうか。天が裂けて、聖霊が鳩のようにイエス様に降って来られたのです。これは私たちのためにイエス様が地上に来られ、働きを始められるという大きな出来事でした。それだけでなく「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という宣言がされたのです。素晴らしい出来事です。しかしこれは今でも起こっています。皆さんがバプテスマをお受けになった時、同じ言葉が叫ばれたのです。
6.木曜日:イエスによる福音書
イエス様が働きを始められ最初に伝えた暗唱聖句の言葉をもう一度見ましょう。
ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤへ行き、神の福音を宣べ伝えて、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。(マルコ1:14、15)
イエス様は3つのことを言っておられます。「時は満ち」ということは約束の時がきたということです。また「神の国は近づいた」ということは約束が実現するということです。そして「悔い改めて福音を信じなさい」は神様が私たちを招いておられるということです。
旧約聖書に預言されている救い主がイエス様であることを信じ、神様があなたを招いていることを信じて、その招きにしたがいましょう。
7.金曜日:さらなる研究
イエス様の伝道の最初の言葉は、終わりの時に私たちが伝えなくてはいけない言葉に似ています。黙示録14章にある第一天使の言葉を思い出してみましょう。
「神を畏れ、その栄光をたたえなさい。神の裁きの時が来たからである。天と地、海と水の源を創造した方を礼拝しなさい。」(黙示録14:7)
このメッセージの一番大切なことは、神様が私たちを招いておられるということです。この招きにあなただけでなく、あなたの愛する人といっしょにしたがっていきましょう。
学びを振り返る質問:
1 マルコは最初の伝道旅行についていくことができませんでしたが、そのあとでチャンスが与えられました。皆さんは同じような経験をしたことはありませんか。
2 神様の招きにしたがいたくない、と思う時はありませんか。それはどんな時でしょうか。