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第９課 混乱と呼ばれた都市 山地 悟
１．安息日午後
今週は、黙示録に登場する二人の女について学びます。一人目は、太陽を着ている清い女で、イエスを愛する忠実な教会です。二人目は、むらさきと赤の服を着ているみだらな女で、神様に背いた不忠実な教会です。この二人の女は、真理と偽りの戦いを表しています。
２．日曜日：二つの対照的な体系
黙示録には、神様に忠実な人たちが登場します（黙示録12章17節、17章14節）。反対に、イエスから離れてしまった、偽りの教会も登場します。「バビロン」という名前の、みだらな女です（黙示録14章8節、17章１、2節）。バビロンは旧約聖書に出てくる都市です。黙示録の時代に、バビロンの町はもうありませんでした。なので、黙示録に登場するバビロンは、実際の町ではありません。終わりの時代のバビロンは、旧約聖書のバビロンと似ています。バビロンは、みだらな行いによって、世界中の人々に影響を与えます。みだらな行いとは、偽りの教えのことです。
３．月曜日：怒りのぶどう酒
終わりの時代に、偽りの教会は世界中の人々に影響を与えます。黙示録17章2節で、バビロンは、地上の王たちと「姦淫」をしたと書いてあります。姦淫とは、夫ではない人と、体が結ばれることです。王たちと姦淫をするとは、国々と関係を結ぶということです。真の教会は、愛するイエスと結ばれています。しかし、偽りの教会は、人々を支配する力を得るために、イエスから離れて国々に助けを求めます。また、世界の人々は、バビロンのぶどう酒で酔ってしまうと書いてあります。新約聖書で、ぶどう酒は、キリストが十字架で流された血を表します（マタイ26章27～29節）。つまりバビロンは、キリストの福音とは違う、偽りのメッセージを人々に広めるのです。神様はご自分の民に、「バビロンから離れなさい」と言われます。
４．火曜日：秘められた意味の名、大バビロン
バビロンの町は、バベルの塔が建てられた場所にありました。バベルの塔は、神様の言葉に反抗する人々が、自分たちの力を示すために建てました。同じように、終わりの時代のバビロンも、神様の言葉に反抗し、人間の力に頼る宗教です。そして、バビロンは神様に忠実な人々を迫害し、殺してしまいます（黙示録17章6節）。それは、神様の言葉とイエスの愛によって建てられた真の教会と全く違います。
５．水曜日：献身への招き
神様の民は、偽りの教会に負けてしまいそうに見えます。しかし最後には、神様に忠実な教会が必ず勝つと約束されています。教会の土台は、キリストです（マタイ16章18節）。真の教会は、キリストの言葉を守り、聖霊によって導かれます。バビロンは、神様の言葉よりも人間の教えを大事にします。旧約聖書で、バビロンの王様は、国の権力を使って、人々に偽りの礼拝をさせました（ダニエル3章）。終わりの時代にも同じことが起こります。ローマ・カトリック教会は、教皇が「この地上にあって全能の神に代わるもの」、「単なる人ではなく、神のような者」と宣言しています（ガイド64頁）。バビロンは、教会指導者の命令が、神の命令だと宣言するのです。
６．木曜日：偶像礼拝の中心地、バビロン
バビロンは、偶像礼拝の中心地でした。バビロンが滅びた原因は、偶像礼拝でした（エレミヤ50章38節、51章17節、47節）。バビロンの人々は、神々が偶像の中に生きていると信じていました。聖書は、生命がない偶像ではなく、生命を与える神様を礼拝するようにと訴えています（エレミヤ51章19節）。像を礼拝したり、あがめたりすることは、十戒の第２条で禁止されています（出エジプト20章4～6節）。偶像を拝むと、神様のすばらしさを理解する心や、聖霊の働きが失われてしまうからです（詩編115編4～8節）。しかし4世紀には、カトリック教会の礼拝で像が使われるようになりました。
７．金曜日：さらなる研究
「バビロンが倒れたことを宣言する黙示録14章のメッセージは、かつては純潔であったが腐敗するに至った宗教団体に適用されねばならない。このメッセージは審判の警告に続くものであるから、最後の時代に発せられるものでなければならない。したがって、これは、ローマ・カトリック教会だけに当てはまるものではない。なぜならば、この教会は、幾世紀にわたって倒れた状態にあったからである」（『希望への光』1779、1780ページ、『各時代の大争闘』下巻84ページ）。
＜問い＞
・バベルの塔は、終わりの時代のバビロンとどこが似ているでしょうか。
・偶像礼拝とは、ただ単に像に頭を下げることではありません。どうしてでしょうか。プロテスタント教会でも、偶像礼拝をしてしまうことはあるでしょうか。
・ダニエル3章で無理やり礼拝をさせられた物語は、終わりの時代の出来事とどのように似ているでしょうか。