安息日学校部

第5課 聴覚しょうがい者用 鈴木優人

2022年第1期「主のために管理する-主がおいでになるその日まで

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第5課  負債をどう扱うか 鈴木優人

 

1.安息日午後

負債とは借金のことですが、ある意味では、「将来得られるであろう収入で今日を暮らすこと」とも言うことができます。ローンを組んだり、クレジットカードを使ったりして借金をする生活は現代社会では普通のことのように思われますが、実は聖書は借金をすることに対して否定的な立場をとっています。借金をすることは罪ではありませんが、悪い結果をもたらすことがよくあるのです。パウロは「だれに対しても借りがあってはなりません」(ローマ13:8)と教えています。借金が人に良いことをもたらすことはほとんどありません。わたしたちはこの問題をどのように扱ったら良いでしょうか。今借金がある人も、そうでない人も、今週の学びを通して聖書的な価値観に基づいて今後の財政的困難に備えたいと思います。

 

2.日曜日:負債の問題

ある調査によれば、人が財政的困難に陥る(お金が無くて困ってしまう)主な理由は3つあるそうです。

①  一般的、または聖書的な、正しいお金の管理の仕方を知らない

② 身の丈にあった生活では満足できず、もっと多くのものを欲しくなってしまう

③ 病気や事故、災害や人間関係などによる個人的な不幸

これらの問題を抱えておられる方ももしかしたらおられるかもしれません。しかし、希望があることを忘れてはいけません。今週の学びでは、聖書の原則からどのような生活をしたら良いのかを学ぶことができます。神様の祝福を受けるためには、自分勝手な思いを捨てて、聖霊に助けていただく必要があります。困難があったとしても、クリスチャン仲間からの支援や教育、仕事、神様の助けによって乗り越えることができるかもしれません。

負債(借金)は必ず減らすことができます。しかし、そのためには生活やお金の使い方、優先順位を変えなければなりません。

借金のある状態は、ある意味では束縛されている状態ということができます。聖書の時代では、借金のために奴隷になることがよくありました。現代では、身体的な奴隷になることはありませんが、クレジットカードなどによって返済義務に追われる奴隷になってきています。

 

3.月曜日:神の勧告に従う

この世界はとても魅力的なもので溢れています。物質的な誘惑で溢れています。他の人が最新のiPhoneやiPadを使っていたら、「私も欲しいなあ」と思ってしまうことがあります。そういった思いが、借金をする理由を作ってしまうのです。しかし、どんなに最新のiPhoneを持っていたとしても、天国に持っていくことはできません。私達は自分が持っているもので満足するべきだと聖書は教えています。金銭や物はわたしたちを神様から引き離す偶像になり得るものです。その背後にはサタンがいます。借金は、私達を神様から引き離すためのサタンの罠である場合が多いのです。その罠に陥ることがないように神様の力と助けを求めましょう。

また、詩篇50:14、15には「いと高き神に満願の献げ物をせよ。それから、わたしを呼ぶがよい。苦難の日、私はお前を救おう。」と書いてあります。口語訳では「感謝のいけにえを神にささげよ」となっています。神様はわたしたちにたくさんの恵みを与えてくださっています。アドベンチスト教会のバプテスマを受けた人は、バプテスマの誓約において什一と諸献金、個人的働きと感化をもって神をあがめ、教会をささえることを誓っています。「私はお前を救おう」という神さまの約束は、忠実に誓ったことを守っている人のための約束であることを覚えましょう。

 

4.火曜日:負債からどのように脱出するか

もし負債に陥ってしまった場合、どのように脱出すればよいでしょうか。ガイドの著者は3つのステップを紹介しています。その前に、前提として神様に忠実に什一をお返しすることを約束、実行することが必要です。なぜなら神様は忠実に従う人を祝福してくださるからです。

① 追加の借金をしない。クレジットカードの使用をやめる。

② この先、神様が祝福してくださったら(お金が用意できたら)すぐに返済する。更になにかを買うためではなく、借金を減らすために使う。

③ 金額の多いものから順番に借金のリストをつくり、最低限の毎月の支払いをしたら、金額の少ないものから優先的に返済を繰り上げ、負債の数を減らす。

神さまはわたしたちが借金を抱えることを望んでいません。しかし、私たちが神様に忠実でいることを約束するなら、思いがけない方法で神様は祝福をしてくださいます。その祝福によって、予想より早く借金が減ることに気がつくでしょう。神様を第一にしましょう。

 

5.水曜日:連帯保証人と一攫千金を狙った商法

箴言6:1−5、 11:5、 17:18、 22:26を読んでみましょう。

聖書は、わたしたちが他人の借金の責任を負うこと、つまり連帯保証人になることがないように警告しています。

普通、信用度が低くてお金を借りることができない場合に、経済力があって信用度の高い人が連帯保証人として署名することによってお金を貸してもらうことができます。この場合、もしお金を借りた本人が返済できなくなってしまった場合に、連帯保証人として署名した人がかわりにその借金の責任を負わなければなりません。教会の友人からあなたに連帯保証人になってほしいと頼まれることがあるかもしれませんが、「聖書にはそのようなことをしてはいけないと書いてあります」と答えるべきです。確かに聖書には、困っている人を助けるように勧めていますが他人の借金の責任を負うべきではありません。

また、一攫千金を狙った商法にも気をつける必要があります。儲け話のことです。多くの人はこの手の話でたくさん傷ついています。なぜなら、ほとんどの儲け話は嘘だからです。儲け話に引っかかってしまう人には特徴があります。それは、世間知らずでありながらお金が欲しい人と、ほとんど働かずに楽に大金を稼ぎたい人です。このような商売は、始めるときに個人でお金を借りて参加しなければならない場合が多く、失敗した場合には借りたお金を失うだけでなく、高い利子で返済しなければならないのです。

 

6.木曜日:借入の長さと借入のポイント

以前は住宅ローンといえば25年が普通でしたが、近年は、日本でも住宅を買うときに35年ローンを組むことが一般的になりました。期間が長いほうが信用力が高くなるためです。申命記15章には、イスラエルでは負債を負う期間はどんなに長くても最長7年と規定されています。これは貸している人が借金を免除してあげなければならないという規定です。神様は、借金をしなければならないこともある現実を認めつつ、借金は可能な限りするべきではないことを強調しています。

学生の場合、教育ローンや貸与型奨学金を借りることも最近は一般的です。しかし、これらは利子をつけて返さなければなりません。このような教育資金を借りる前に、返済の必要がない助成金や給付型奨学金を受けられないか調べましょう。また、さらなる借金が必要にならないようにアルバイトをして預金をできるようにしましょう。授業にはしっかりと出席し、学費の無駄が生じないようにサボったりせず、責任を果たすことも大切です。また、聖書の時代は子どもが自立できるように親が支援するのも親の大切な役割でした。

 

私達の住む世界は借金のない完璧な理想の世界ではないので、どうしても借金をしなければならない場合があるかもしれません。どうしても借金をしなければならない場合は次の3つのルールに従いましょう。

A 本当に価値があるもののためだけに借りる

B 短期間のローンで借りる(お金を借りたらすぐに返す)

C 最も良い金利で借りる(利子ができるだけかからないようにする)

 

7.金曜日:さらなる研究

借金をしたり、返済ができなくなって破産をしてしまうことはクリスチャンとして証にはならなくなってしまいます。そのために、これ以上借金をしないようにしましょう。また、神様に忠実な者となる約束をし、返済できるように恵みを受けましょう。さらに、家計簿と予算をつけると良いでしょう。いかに不要なものにたくさんお金をかけていたことがわかります。また、クレジットカードの多用は節約に向かないようです。日頃の生活の中で節約できるものはたくさんあるはずです。エアコンの設定温度に気をつけたり、使わない照明を消したりするだけでも毎月の支出を減らしていくと、結果的に大きな額を節約できます。

 

話し合いのための質問

・お金を使いたくなってしまう誘惑から身を守るために、あなたを守ることができる聖書の約束はなんですか