安息日学校部

第2課 聴覚しょうがい者用:藤田昌孝

2020年第4期「教育」(天国に備える教育) 

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第2課   家族   藤田昌孝

 

1.安息日午後

今週は家庭教育について学びます。日本では、「教育」というと、学校教育ばかり考えますが、家庭教育の意義と必要を学びます。

 

2.日曜日:最初の家族

神様の民はアダムの時代から神様から教えを受けていたと思われます。

創世記18:19 に、次のように書かれているからです。

「わたしがアブラハムを選んだのは、彼が息子たちとその子孫に、主の道を守り、主に従って正義を行うよう命じて、主がアブラハムに約束したことを成就するためである。」

親が子どもに「主の道」を教えていたようです。それでも、全ての子どもたちが主の道に従ったとは限りません。

カインは教えにそむいて、羊ではなく、自分の作った作物を神様にささげました。

 

3.月曜日:イエスの子ども時代

聖書の中のマリヤとヨセフの記述を見ると、彼らが神様を畏れ、主の教えを大切にしていたことが分かります。

神様はイエス様の教育を彼らにまかせられたようです。そのことをテキスト13頁の後半に読むことができます。

「イエスの母が、最初の人間教師であった。彼女の口と預言者たちの巻物から、イエスは天の事物について学ばれた。イスラエルのためにご自身がモーセにお語りになったことばを、イエスはこんどは母のひざもとで教えられた」(『各時代の希望』上61頁)

私たちも、家庭において、幼い頃からの聖書教育が必要です。

世の人は時々、「信仰教育は、判断能力を持つ成人になってからが好ましい」と言います。「幼い子どもに信仰を押し付けるのはよくない」とおっしゃいます。

しかし、神様の言葉を学ばなければ、私たちは何をもって、善悪を教えることができるでしょうか?

そもそも、聖書の信仰は単なる宗教ではありません。それは歴史と事実に基づいた真実です。世のいかなる人間の言葉より確かな事実です。両親は責任をもって聖書の事実と信仰を子どもたちに教えるべきです。

 

4.火曜日:コミュニケーション

火曜日はコミュニケーションの必要を学びます。エレン・ホワイトの教育の引用は印象的です。

「教師と生徒の間の心のつながりを密接にするには、教室の外でいっしょに楽しく交わることがもっとも効果的な方法である」(『教育』251頁)

幼い子どもの場合、しっかりと遊んであげることが必要なのだと思います。

また、自分たちの家庭をどのような言葉で満たすか、ということも大切なことです。

「神に従う人の唇は好意に親しみ/神に逆らう者の口は暴言に親しむ」(箴言10:32)。

エレン・ホワイトの言葉です。

「ことばをやさしくし、態度を穏やかにし、自分の欲望を押えなさい。ことばは善、または悪のために強い力を持っているから、話すことばによく注意なさい。声は決して鋭くしてはならない。あなたがたの結婚生活にキリストのような香りを持ち込みなさい」(『アドベンチスト・ホーム』108頁)。

以前、言葉の影響力を知る為、ある実験をしました。ジャムの空瓶2個に、それぞれ炊き立てのご飯を入れ、片方には「ありがとう」というラベルを貼り、もう片方には「ばかやろう」というラベルを貼りました。そして「ありがとう」の方には「ありがとう」と優しく語りかけ、「ばかやろう」の瓶には「ばかやろう」と言い放ちます。

一週間もすると両者に違いが現れました。「ばかやろう」の方には黒カビが生え始めたのです。二か月間それを続けると、違いはさらに決定的になりました。実験は二か月で終了しましたが、それから一年たった物が左の写真です(※PDF参照)。

なぜこのようになったのか、原因はわかりません。ただ、言葉には力や影響力があることは確かなようです。

言葉が、子どもたちの人格をつくってゆくとしたら、私たちの家庭をやさしい言葉で満たしてゆきたいと思います。

 

5.水曜日:親の役割

水曜日は父親、母親の子どもの教育について果たすべき役割について説明されていました。

現在、核家族化の進む中で、父親の子育てに果たすべき責任が問われています。エレン・ホワイトの言葉です。

「『時間がない。わたしには子供の教育にさく時間がない。社交的なたのしみや家庭的なたのしみをたのしむ時間がない』と父親はいう。それなら、あなたは家族を持つ責任を取るべきではなかったのである。当然家族に与えるべき時間を与えないことによって、あなたは、彼ら(子供)があなたの手から受けるべき教育を奪っているのである。あなたに子供があるなら、あなたには、母親と協力して、彼らの品性を形成する働きがある」(『アドベンチスト・ホーム』207頁)。

以前、カナダ政府は父親の子どもへの関与について、ある研究結果を発表しました。父親が子どもに多く関与すると、次の点で子どもに良い影響を与えるというのです。

・子どもの認知機能の発達 ・学業成績の向上・問題解決能力・情動の発達・自己受容・社会的発達

・自分の感情を適切にコントロールすること・攻撃的でないこと・共感して人に関与すること

(『The Father Toolkit』p5)

こうしたことからカナダ政府は父親が子どもに充分に関与することを強く勧めています。

 

6.木曜日:主を決して忘れないよう

木曜日は申命記6章から、キリスト教教育の原則を学びます。6章から抜粋してみます。

「あなたもあなたの子孫も生きている限り、あなたの神、主を畏れ、わたしが命じるすべての掟と戒めを守って長く生きるためである。イスラエルよ、あなたはよく聞いて、忠実に行いなさい。そうすれば、あなたは幸いを得、父祖の神、主が約束されたとおり、乳と蜜の流れる土地で大いに増える」(申命記6:2、3)

神様の御言葉に従おうとするならば、神様は詩篇一編にあるように私たちを導いてくださいます。

「いかに幸いなことか/神に逆らう者の計らいに従って歩まず/罪ある者の道にとどまらず/傲慢な者と共に座らず

主の教えを愛し/その教えを昼も夜も口ずさむ人。 その人は流れのほとりに植えられた木。ときが巡り来れば実を結び/葉もしおれることがない。その人のすることはすべて、繁栄をもたらす」(詩篇1:1~3)。

「子供たちに繰り返し教え、家に座っているときも道を歩くときも、寝ているときも起きているときも、これを語り聞かせなさい」(申命記6:7)

現在イスラエル人の多くは、金曜日の夕、安息日に入りますと、家族で、イスラエルの歴史を繰り返し学びます。

創世記から始まり、イスラエル建国を迎えるまでのユダヤ人の歴史の中で神様がどのように働いてくださったかを学び続けるのです。

「あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出された主を決して忘れないよう注意しなさい。 あなたの神、主を畏れ、主にのみ仕え、その御名によって誓いなさい。他の神々、周辺諸国民の神々の後に従ってはならない。 あなたのただ中におられるあなたの神、主は熱情の神である。あなたの神、主の怒りがあなたに向かって燃え上がり、地の面から滅ぼされないようにしなさい。」(申命記6:12~15)

神様の御言葉に従う者には祝福されますが、主の言葉を拒む者は、滅ぼされます。ここにさばきがあります。聖書は全ての人間が救われるとは言いません。この事実を、愛をもって、はっきり伝えてゆくべきです。