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第2課 契約についての初歩的学び 武田将弥
1.安息日午後
今週は「契約」について基本的なことを学びます。契約とはどういう意味や性質をもち、どんな要素が含まれているのかなどを、ノア、アブラハム、そしてシナイで与えられたモーセの契約を例に、どんな希望を見つけることができるのかを学びましょう。
2.日曜日:契約の基礎
ヘブライ語の「ベリート」という言葉は、日本語の聖書では「契約」と翻訳されています。他にも「誓約」とか「遺言」とも翻訳できるそうですが、本来の意味は「2人が1つに結び合わされること(結合)」です。
結合という意味を持つ言葉「ベリート」は、男女の結婚にも使われますし、人間同士、神様と人間との関係にも普通に使われていた言葉だったのですが、時代が進むにつれて、だんだん神様と人間との間に使われる宗教的な意味を強く持った言葉になっていきました。
契約を結ぶと、2者の間には守るべき約束が生まれます。神様と人間が契約を結んだときの流れを確認してみましょう。
(1)神様は人間との契約にともなって「約束」を誓われました。
(2)人間側は契約をしたので、十戒にある神様のご意思に従う「義務」が生まれました。
(3)神様側は契約をしたので、キリストを通して罪の贖いを果たされました。
3.月曜日:ノアとの契約
「わたしはあなたと契約を立てる。あなたは妻子や嫁たちと箱舟に入りなさい(創世記6:18)」
この聖句ではすぐに「契約」という言葉が出てきています。ノアの時代は世の中が非常に悪い状態であり、どんどん罪が広がり続けたので地上が滅びることになりました。しかし神様は人間が救われる可能性を与えるために、ノアに契約関係を結ぼうと神様の方から近づいてきてくださいました。
4.火曜日:アブラムの契約
アブラムは神様から大いなる祝福の約束をいただきます。しかしその契約には「生まれ故郷を離れて、神様が示す土地に行きなさい」という条件が付いていました。神様の説明には行き先も、どれくらいの長さの旅になるかも教えられていなかったので、神様から告げられたときアブラムの心は迷ったかもしれません。しかしアブラムは神様の言葉に従って、生まれ故郷を離れました。その理由は神様からの祝福が欲しいから出発したのではなく、愛する神様からの言葉だったから出発することにしたのです。
アブラムは神様との約束を守りました。だから神様も契約に従って、アブラムに祝福を与える約束を果たしてくださいました。
5.水曜日:モーセとの契約
かつて奴隷として苦しんでいたイスラエルの民は、出エジプトによって奴隷から解放された後、モーセを通してシナイ山で契約を受けましたが、この契約は神様からの恵みでした。流れの順番に注目してみましょう。
(1)神様がまずイスラエルを救われた。 (2)それから守るべき律法を神様はお与えになる。
これは福音についても同じです。イエス様は罪や病で苦しんでいる人に近づいていって、まず救われました。そして次に「私に従ってきなさい」と言われたのです。この順番はいつも同じなのです。
6.木曜日:新しい契約(エレ31:31~33)
神様は人間のために素晴らしい恵みの契約を提案してくださり、人間は契約を結びますが、約束を破るのはいつも人間の方です。その度に神様を悲しませてしまいますが、神様はその度に許してくださり、人間は主の恵みによって、再び愛の関係に入っていくのです。
7.金曜日:さらなる研究
イエス様はこの地上へ、約束を果たすためにお生まれになりました。キリストの歩まれた人生は、いつも神様に対する愛と、罪で苦しんでいる人たちを救おうとする愛そのものでした。だからどんな苦難が襲ってきても、それを受けて死なれました。相手との約束を守り通すために大事なものは、その相手に対する愛がないと達成できません。イエス様は自分が模範を示されたので、わたしたちにも同じように人生を歩むよう求めておられます。
★振り返りの質問★
エレミヤ書31:31~34に「わたしの律法を授けて、あなたの心に書き記す」とありますが、あなたはこれをどのように理解しますか? 考えたことを話し合ってみましょう。