安息日学校部

第11課 聴覚しょうがい者用 松下晃大

2023年第2期「三つの宇宙的メッセージ

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第11課 神の印と獣の印(その1)松下晃大

 

1.安息日午後

私たちはこれまで、三天使の使命の学びを通して、キリストとサタンの大争闘の中心にある争点は礼拝である、ということを学んできました。神様を礼拝するのか、神様以外を礼拝するのか。神様は神を礼拝して欲しいと訴え、サタンは神以外を礼拝するようにと誘惑してきます。私たちは日々そのような選びの中に立っています。

今週のテーマは、神の印と獣の印です。2週続けてこのテーマから学びます。大争闘の中において、最終的に神様を礼拝する民に神の印が、神様以外を礼拝する民に獣の印が与えられます。

古代において、印やハンコを押すことの一番の理由は所有権でした。新約聖書において印は、神様が御自分の民を認め、聖霊によって印を押されるということを意味します。エレン・ホワイトによれば、印は、「目に見える印ではなく、霊的かつ知的に、動かされることがないほど真理になじむこと」(『終わりの時代の諸事件』211ページ)を意味します。

神の印をいただくために、何が大切なことなのか、獣の印はどのような特徴があるのか、学びたいと思います。

 

2.日曜日:不動の忍耐

日曜日と月曜日は神の印についての学びです。

「ここに、神の戒めを守り、イエスを信じる信仰を持ち続ける聖徒の忍耐がある」(黙示録14章12節)。この聖句は、三天使の使命の最後に記されてあるまとめでありポイントです。

大争闘の中において、どんなにサタンの誘惑が激しくても迫害が起こっても、神様に忠実である民がいます。その民の特徴が、神の戒めを守り、イエスを信じる信仰を持ち続ける民です。この特徴を持つ民が、神の印を受ける民なのです。

黙示録14章12節の聖句には、神の民には忍耐がある、とあります。ガイドにはこの忍耐を「不動の忍耐」と訳すことができると解説がありました。神の民は、どんなことが起こったとしても神の恵みを通して不動の忍耐を持って立ち、神を中心とするのです。

神の印は、目に見えないものではありますが、このように神を中心とした歩みをする中で、不動の忍耐を持つなど、はっきりと表されるものとなるのです。

 

3.月曜日:宇宙的闘い

ここでは黙示録14章12節から、「イエスを信じる信仰」について考えます。このイエスを信じる信仰という言葉は、「イエスの信仰」とも訳すことができる言葉です。神の印を受ける民は、イエス様の信仰を持っているのです。では、イエス様の信仰とはどのようなものでしょうか。

「そして三時ごろに、イエスは大声で叫んで、『エリ、エリ、レマ、サバクタニ』と言われた。それは『わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか』という意味である。」(マタイ27章46節)

この言葉は、イエス様が語られた言葉の中で最も辛く悲しいものです。この言葉にイエス様の信仰を見ることができます。

ガイドの月曜日に、「十字架に架けられ、暗闇に包まれ、世の罪、恥、責めを負い、御父の愛の感覚から切り離されてもイエスはなお、その生涯を通して築かれた父なる神との関係に信頼されていました。」とあります。

イエス様の信仰は確かなものでした。それは、最も厳しい状況の中にいた時も、罪によって神様から離れていた時も、すがりつくものがほとんどない時でさえもすがりついていた信仰です。

イエス様はこのような信仰を持っていました。そして私たちも、日々の信仰の歩みによって、少しづつ神様の愛を知り、神様に近づくことによって、イエス様の信仰を持たせていただくものとなるのです。

そのことが神の印をいただく、終末時代への備えとなるのです。

 

4.火曜日・水曜日:蒔いたものを刈り取る・小羊に従う者たち

火曜日と水曜日は黙示録13章から、獣の印について学びます。

 

黙示録13章は、サタンが最後の戦いをするために、2頭の獣を呼び寄せ、2頭の獣が激しく活動する様子が記されています。

最初の獣は、サタンから力と王座と権威を与えられ、活動します。その結果は、全地の人々が驚きおそれて、この獣に従います。多くの人が惑わされるのです。

そして、2番目の地中から上ってくる獣は、最初の獣を拝むようにと人々に働きかけます。そこで、多くの人たちに獣の刻印を押すのです。獣の刻印が無い者には、経済制裁や迫害が起こるということも預言されています。

私たちは、預言の学びを通してこの最初の獣が、ローマ・カトリック教会であること、2番目の獣が、アメリカ合衆国―背教したプロテスタント諸教会であることを知っています。これらの勢力の活動はますます激しさを増していくことが分かります。

ただ、このような時代にあっても、神様は、神の戒めを守りイエスを信じる信仰を持ち続ける神の民を支えてくださいます。

「彼らは、女にふれたことのない者である。彼らは、純潔な者である。そして、小羊の行く所へは、どこへでもついて行く。」(黙示録14章4節)

獣には全地(多くの民)が従いますが、一方、小羊の行く所へはどこへでもついていく神の民も確かにいます。獣の印が押されない、神の印を持つ民が、確かにいるのです。

 

5.木曜日:私たちの唯一の仲保者、イエス

獣の印の預言を学ぶ時、自分は大丈夫だろうか、と不安になることがあるかもしれません。確かにサタンの誘惑はとても激しいものです。

しかし、私たちにはイエス様がいます。

「神は唯一であり、神と人との間の仲保者もただひとりであって、それは人なるキリスト・イエスである。」(1テモテ2章5節)

私たちを贖い、救い出し、今も導かれているイエス様は、たったひとりの神と人との間の仲保者です。

イエス様は今、私たちを待っておられます。私たちがイエス様を選び、礼拝することを待っておられます。私たちは、私たちを贖ってくださったイエス様、神の印を押してくださるイエス様を信じ、神の印をいただく民にさせていただきたいと思います。

 

6.金曜日:さらなる研究

神の印・獣の印について考える時、安息日の教えはとても大切なものとなります。神様を信じたり、神様以外を選んだりすることは、「信仰」の部分が大きく、信仰ははっきりと表には現れません。

しかし、安息日を守ることは、誰を選んでいるのか、誰を礼拝しているのかということがはっきりと表れるからです。安息日は自分の信仰がはっきりと表れる時になるのです。

大切なことは、私を創り導いておられる神様・贖い救ってくださったイエス様に思いを向け、自分はどんな存在であるかを安息日毎に思い起こすことです。神様を信じる中で、安息日は私たちに豊かな祝福と目的と価値を与えてくれます。

「安息日は、私たちを、私たちの創造主と結び合わせる黄金の絆であり、それが終わりの時代の最後の危機にあって重要な役割を果たす理由です。」(ガイドの金曜日の最後の文章)

 

話し合いのための質問

・マタイ27:45〜50 イエス様の十字架を想像してみましょう。人生が打ち砕かれ、何も無くなってしまったとしたら、どのように乗り越えますか? また、そのような経験はありますか?

・誘惑があった時に神様を選ぶことができるように、忍耐できるように、日々何を大切にしていきたいですか?