文書伝道部

1番印象的な出会い

1番印象的な出会い

Y・A(亀甲山教会)
光風台小学校の周辺で文書伝道をしていた日、ある家を訪問すると少し見た目が強面のおじいさんが出てきていましたが、いつも通りに本の紹介をしました。すると、厳しめに「本はいらないよ」ときっぱり断られてしまいました。しかし、そこで折れて帰っちゃダメだと思ったのと、なぜか仲良くなりたいと思い、本と関係のない色々な話をしました。
その方の今までの様々な経験や、僕の将来の夢の話、これからの日本や世界の話など本当に様々な話をしました。
そして、随分と時間も経過していたので、「お忙しい中、色々話してくださってありがとうございました」と言って帰ろうとすると、「お前を気に入ったよ!やっぱり本を見せてくれ」と言いました。結果、僕の好きな本を1冊届けることができました。
その後、一緒に回っていたペアの方とサポートできてくださった牧師先生も合流してその方と更に色々な話をしました。
そうして、そろそろ次のところに…という雰囲気を出しはじめたら、「お兄さんたち、ちょっと待ってろ」と言って、たくさんのトマトを持ってきてくださり「食ってみろ」と言われたので、ありがたくもらいました。そのトマトがとても美味しくて「めっちゃ美味しいです!」と言うと、その方は少し離れた場所に趣味で畑をやっているようで「そこで採れたトマトなんだよ〜!」と話されました。
「すごいですね!」僕が言うと、「もうすぐ畑に作業に行くから、来たらたくさん野菜をやるよ〜」と言ってくださいました。
「お昼休みがもうすぐなのでお昼休みに向かいます」と言って、畑の場所を教えてもらいました。そして、お昼休みにその方の畑へ、一緒に回っていた3人とリーダー、4人で向かいました。
少し分かりづらいところでなかなか見つけられず、相手の方に電話をかけても通話中で繋がりませんでしたが、無事に見つけることができました。畑に案内されて入ってみると見たことないぐらい大きな野菜がたくさんあって本当に驚きました。

最終的にはその中から本当にたくさんの野菜をいただきました。野菜をもらう前に、おじいさんは「まあまあとりあえず座って」と言ってベンチがあったのでそこに座らせてくれて、また色々な話をしました。
今度はアルバムを持ってきてくださって写真を見ながら、午前中に聞いたおじいさんの人生経験を教えてもらいました。スキューバーダイビングをしていた話、ロッククライミングを仕事としてやっていたり、カーレースのサポートをしていたり、第一東名を作る仕切り役や指示役をしていたり、自衛隊にいたりと、本当に様々な経験をされていた話です。
話の中で自然と宗教の話になっていき、その方は無宗教の方だったのですが、無宗教の人から見る宗教に対するイメージなどを聞くことができました。このおじいさんは人に迷惑をかける宗教は最悪だ、ダメだと言っていました。
その方は仕事が波に乗りどんどん昇格していってとてもうまくいっている時に小さな交通事故を起こしてしまいました。しかし、お互いに軽傷でした。相手の方は頭を打ったそうですが、手術をすればなんともないという状況だったのに、相手の方はエホバの証人で輸血を受け入れず、手術を拒否して10日程過ぎて亡くなったそうです。
このことを通して、この方は「仕事も全て辞めさせられ人生や今まで頑張っていたことがパーになってしまった。人に迷惑をかける宗教は絶対にダメだ」と何度も何度も話されました。
この出会いから、無宗教の人から見るとカルトであるかどうかは関係なく、迷惑をかけるのかどうかが大事になのだなと思いました。
しかし、これからの時代は各時代の大争闘に書いているように世界が向いて行く方向とセブンスデー・アドベンチストが向かう方向は異なると書いてあります。その時には、僕たちの信仰が「迷惑」だと世界から思われるのかもしれません。そうなって行くと今のように文書伝道はできなくなるのではないかなと思います。しかし、僕はそれまでにできるだけたくさんの文書を配って種を撒きたいなと思いました。
結果的にその日このお爺さんと過ごした時間は、1時間半程ありました。これだけの時間があれば本来もっと色々な方に文書を届けられたのかもしれません。しかし、僕はこのおじいさんとの出会いを通して、もう僕らには残されている時間はないのだと思い、その日からより一層伝道に力が入るようになりました。
そのおじいさんは僕たちのことをいい子たちだと言ってくださいましたが、宗教は受け入れられないなと言われました。しかし、最終的には一緒にお祈りするとこができ、本も一冊届けられました。これからこの方がどうなるかは分かりませんが、神様がこの本を通してこの方と出逢っててくださると信じてお祈りしています。