エレン・ホワイトも文書伝道が弟子訓練に効果的であると述べています。 「神は、私たちの学校の多くの学生が、将来成功するために必要な実際的教訓を学ぶことができるような計画を制定なさった。学生時代に、これらの書籍を販売するとき、多くの学生は、礼儀正しく人々に接する方法や、現代の真理に関する種々の点についてじょうずに人々と話し合う方法を学ぶのである。経済的にも成功を収めるようになれば、彼らのなかには、節約と経済についての教訓を学ぶものもあろう。それは、彼らがやがて宣教師として派遣されるときに大いに役立つものである」。
1987年、当時のミシガン教団総理グレン・アフダーハールによって、ユースラッシュの原型となるシステムが考案されました。本を雑誌のようなソフトカバーのデザインにして低価格を実現した「マガブック」が開発され、ASI(Adventist-laymen’s Services and Industries)からの資金提供を受け、1988年の夏にユースラッシュの原型となる文書伝道プログラムを始動しました。
このプログラムでは売上だけでなく、参加者の霊的な成長も期待されていました。同プログラムのリーダーであったヴィンクロスは次のように述べています。「私のミッションは学生がイエス・キリストに出会い、変化を経験することです」。
「売上はこのプログラムのゴールの1つに過ぎません。(中略)これは参加者自身の霊的健康にもフォーカスしています。ヴィンクロスはアドベンチストの青年たちがイエス様との交わりの中で成長を助け、伝道のために彼らをトレーニングすることに注力しています」。
その後、パシフィック教団で2000年に「ユースラッシュ」としてのプログラムが行われ、2年後の2002年にはユースラッシュリーダーとバイブルワーカーの育成を目的としてソウルズウェスト訓練校が設立されました。
当時、アメリカの文書伝道者の中で売り上げがトップであったラリー・カーターの技術のマニュアル化に成功したのがユースラッシュです。
日本には2015年に計画が始まり、2016年から各地で学生が参加する合宿が行われています。
「ユースラッシュの前と後であなたの信仰は成長したと思いますか」の回答の割合(単位:%)
「ユースラッシュは青年の信仰成長に有益であると思いますか。」の回答の割合(単位:%)
調査の結果、2016年―2019年にユースラッシュに参加した青年の77.8%が、信仰の成長を実感していることが分かりました。さらに、ユースラッシュ参加者は、他者の信仰成熟をサポートする意識を持っている傾向があることも分かっています。伝道活動に携わることによって、光を求めている人々に出会い、一人ひとりの魂を励ます経験をした青年たちは、自分たちのコミュニティーにおいても、他者の信仰を励ます役割を担うのです。
「青年たちが伝道者としての資格を身につける最善の方法の1つは、文書伝道に従事することです。青年たちに町や都市へ行って、現代の真理について書かれた書籍をもって文書伝道をさせなさい。……人々に会って私たちの書籍や雑誌を紹介することによって、彼らは説教では得られないような経験が与えられます」。
エレン・G・ホワイト『文書伝道』三育協会、1965年、30頁。
Sandra Blackmer, “Frontline Witnessing,” Adventist Review, (DECEMBER 15, 2011)(最終閲覧日:2019年11月26日)
Sandra Blackmer, “Frontline Witnessing,” Adventist Review, (DECEMBER 15, 2011)(最終閲覧日:2019年11月26日)
エレン・G・ホワイト『青年への使命』福音社、1957年