セブンスデー・アドベンチスト教会

7つの原則 再び

キリスト教界のみならず、日本のすべての宗教界が衰退の傾向にあります。信徒が高齢化し、10年後のビジョンさえ見えない状況です。若い世代にとって必要のある、また魅力のある宗教がないのです。多くの若い日本人は、実質無宗教、無神論者となっています。しかし、それは日本人もしくは日本に住む人々がもはや救いを必要としなくなったということではありません。人間は依然として救いを必要としています。

私たちの教会は、人々に「キリストにある救い」をどう提示し、その救いへと人々をどのように招いているのでしょうか。自分たちだけが救われればいい、責任は彼らにある、とするのは、もはやキリストの教会の発想ではありません。もう面倒くさいことは嫌だ、無理をせずやっていきたいと考えているとすれば、間違いなく私たちの教会も衰退の道をたどり、同時に救霊使命を放棄したことになります。各教会の礼拝出席者数は、10年前と比べてどうでしょうか。

この現状に危機感を覚え、教団理事会は2013年の年次理事会で「7つの原則」を採択しました。その危機感をもうひとたび確認したいと思います。7つの原則の一つひとつについては、2014年のこのライフ誌上で解説させていただきました。教会もまた安易な守りに入った途端に停滞、衰退の道をたどり始めます。常に挑戦する気概が大切です。

宣教の働きは、聖霊の注ぎと献身したキリストの弟子、牧師と教会なくしては始まりませんし、前進しません。生ける神の愛と力を信じる牧師が求められています。祈り、全員で救霊のために献身する教会が求められています。教会内の「高齢化」「少数化」「遠距離教会員」「否定的意見」「消極的姿勢」など、救霊使命推進に困難な理由は枚挙にいとまがありません。弱気の理由はよく理解できます。しかし、教会の主は十字架のキリストです。私たちはキリストの弟子です。キリストの愛と力を信じ、祈り、働くべきです。

約束の地カナンを前に、「断然上って行くべきです。そこを占領しましょう。必ず勝てます」とカレブとヨシュアは言いました。しかし多数派は反論します。「いや、あの民に向かって上って行くのは不可能だ。彼らは我々よりも強い」(民数記13章30、31節)。キリストの再臨を前に、私たちはどちらの側につくのでしょうか。

 

宣教使命完遂への我らの挑戦

~牧師・教会の7つの原則~

セブンスデー・アドベンチスト日本教団は、以下の「7つの原則」を追求する福音中心、救霊使命第一の牧師と教会を期待し、支持する。

1. 祈りとみ言葉を最優先し、キリストの心と聖霊の力を求める牧師と教会

2. 永遠の福音の宣教と救霊に献身し、 この使命を第一とする牧師と教会

3. 教会組織を大切にしつつ、救霊使命に自ら主体的に取り組む牧師と教会

4. 失敗を恐れず、救霊の新しい方法に挑戦し続ける牧師と教会

5. 全ての教会員が救霊について何か役割を持つことを支援する牧師と教会

6. 地域奉仕などを通して隣人との関係を積極的に創る牧師と教会

7. 究極の救霊の方法である個人伝道・関係伝道を実践する牧師と教会

アドベンチスト・ライフ
2020年2月号
教団総理 島田真澄