セブンスデー・アドベンチスト教会

十四万四千人

十四万四千人

「だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイによる福音書28章19、20節)。
教会は、教会の主であるイエス・キリストからこの大宣教命令を受けて建てられました。教会の使命は、すべての人々をキリストの弟子とすることです。人々を単に教会員にすることではありません。キリストの弟子にするのです。キリストの弟子とは、キリストと共に他の人をキリストの弟子とするために献身する者です。過去2000年、教会はこの使命実現に努めてきました。
しかし、この終末時代に残りの教会がつくらねばならないキリストの弟子は、過去の教会の求めていたレベルではありません。特別なキリストの弟子が、再臨直前のこの時代には求められているのです。使徒ヨハネは、その特別な弟子たちを「十四万四千人の者たち」と呼びました。それは、最終時代に神の忠実なしもべとされ、神の印をその額に押される者たちです(黙示録7章)。「また、わたしが見ていると、見よ、小羊がシオンの山に立っており、小羊と共に十四万四千人の者たちがいて、その額には小羊の名と、小羊の父の名とが記されていた。……彼らは、玉座の前、また四つの生き物と長老たちの前で、新しい歌のたぐいをうたった」(黙示録14章1、3節)。キリストの再臨を生きて迎え、救われてシオンの山に主と共に立つのは十四万四千人の者たちなのです。
彼らはどのような者たちなのでしょうか。使徒ヨハネは彼らの特徴を次のように書きました。「彼らは大きな苦難を通って来た者で、その衣を小羊の血で洗って白くしたのである」(黙示録7章14節)。「彼らは、女に触れて身を汚したことのない者である。彼らは童貞だからである。この者たちは、小羊の行くところへは、どこへでも従って行く。この者たちは、神と小羊に献げられる初穂として、人々の中から贖われた者たちで、 その口には偽りがなく、とがめられるところのない者たちである」(黙示録14章4、5節)。
彼らは、信仰の試練を経て清められ、キリストの血によって義とされました。彼らは偽りの教えに身を委ねたことのない純潔な神のしもべです。そして、キリストにどこまでも従う従順な弟子です。その口には偽りがないほど真実で、キリストを愛し隣人を愛する愛においてとがめられることのない者たちです。彼らの贖い主への愛と隣人への愛は究極の意味でひとつであり、隣人の救いのために贖い主と共に奉仕することを喜びとするのです。その十四万四千人が、最終時代に求められている究極のキリストの弟子です。
その十四万四千人のキリストの弟子をつくることが、アドベンチスト教会の使命です。その弟子は、やはり十四万四千人の信仰に生きる真実な弟子たちによってのみつくられるのです。
教団総理 島田真澄 アドベンチスト・ライフ2016年12月号