セブンスデー・アドベンチスト教会

伝道の三段跳び

伝道の三段跳び

「信徒は弟子に」。2021年1月、日本教団総会が採択した三つの伝道基本方針の筆頭です。
この祈りは今、主に受け入れられ実現しつつあります。多くの自発的な祈りのグループが生まれています。すべての牧師を支えるために、毎朝7時に集まる祈りの戦士たちがいます。その姿は、杖を掲げたモーセの腕を支えるアロンとフルの姿を見るかのようです。
信徒による講演会が各地で展開され、そこで尊い魂が救われています。東京大都市伝道MUTで、ACTS修了生、チャーチプランターたちは、15か所以上で安息日の集会を行い、そこで集まる人数を含めると100名に至ろうとしています。イエス・キリストの再臨に向けて、聖霊が人々に強く訴えています。それに応えて立ち上がる兄弟姉妹たちが、次々に与えられているのです。
これらの人たちは、主イエスの弟子として、主イエスにのみより頼みます。牧師と教会を支えてくれますが、牧師と教会により頼んだりしません。むしろ牧師たちに言うのです。「教会のことは私たちがやりますから、先生はまだ福音を知らない人たちに宣べ伝えてください」。そうして2番目の祈り、「牧師は使徒に」が実現していきます。

使徒はフロンティアを目指します。教会に新たな地平を見るように促していくのです。
イエスは弟子たちに、「目を上げて畑を見なさい」と言われました。足元のぬかるみを見つめるのではなく、聖霊によって目を上げるときに、そこに色づいた収穫を待つ畑、教会が進んでいくべきフロンティアが見えてきます。使徒たる牧師は、聖霊の導きにより、「目を上げてこの未開拓の沃野を見てください」と勧めていくのです。
今や牧師の促しを待たずに、多くの兄弟姉妹たちが使徒となって立てられています。聖霊の導きによりフロンティアに目を開かれた教会は、3番目の祈り、「教会は光と塩に」を体現します。エレン・ホワイトの次の言葉は、私たちにとって警告であると同時に大きな励ましです。

「キリストが共にいてくださると教会に約束されているのは、そのみわざをなすことによってである。行ってすべての国民に教えなさい、『見よ、わたしは世の終りまで、いつもあなたがたと共にいるのである』と、キリストは言われた(マタイ28章20節)。キリストのくびきを負うことが、キリストの力を受ける第一の条件である。教会の生命そのものは、教会が主の任命を忠実に果たすことにかかっている。この働きをおろそかにすれば、そこにはかならず霊的な弱さと衰えが生じる。人々のための活動的な働きがないところでは愛は衰え、信仰は弱くなる」(『各時代の希望』下巻479ページ、文庫版)

*聖句は©️日本聖書協会

アドベンチスト・ライフ2024年11月号
教団総理 稲田 豊