セブンスデー・アドベンチスト教会

キリストを迎える準備

キリストを迎える準備

最近、訪問している中で、終活をされている方が増えていることに気づかされます。人生の終わりを考え、準備することは、大切なことです。
イエス・キリストの再臨は、聖書全体の真理の中でとても大切なものです。イエスが教えてくださった再臨について考えたいと思います。再臨の知らせは3つに分けることができます。「良い知らせ」「悪い知らせ」「最も重要な知らせ」の3つです。

1 イエス・キリストの再臨は良い知らせ

再臨と聞くと、聖書のどのことばが頭に思い浮かぶでしょうか。私は、イエスが2階座敷で弟子たちに話された、ヨハネによる福音書14章1~3節です。イエスは、「行ってあなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、あなたがたをわたしのもとに迎える」(3節)と約束されました。
イエスの約束は確実です。テサロニケの信徒への手紙一・4章13~18節では、再臨のときに、キリストに結ばれて眠りについていた人々との再会が約束されています。彼らはまず最初に復活します。生きて再臨を迎える人たちと一緒に空中でイエスに会い、用意された場所に行くのです。

2 イエス・キリストの再臨の悪い知らせ

イエスは、栄光のうちに来られることの良い知らせだけでなく、悪い知らせについても教えられました。マタイによる福音書25章1~13節にある「『十人のおとめ』のたとえ」を見てみましょう。
10人のおとめは、イエスに従うことを公言して待っている人をあらわしています。10人全員が花婿が来るのを楽しみにしていました。全員あかりを手に持ち、花婿を待っていましたが、全員が準備できていたわけではありませんでした。イエスはたとえの中で、「『花婿だ。迎えに出なさい』と叫ぶ声がした。……花婿が到着して、用意のできている五人は、花婿と一緒に婚宴の席に入り、戸が閉められた」(6~10節)と言われました。
イエスに従うことを公言し、イエスを迎えようとしていた人のうち、迎える用意ができていなかった人はどれくらいいたでしょうか。50パーセントの人が用意できていませんでした。10人のおとめに続く「『タラントン』のたとえ」では、33パーセントの人が用意できていませんでした。これが悪い知らせです。
私たちは、イエスが来られることは良い知らせだということを知っています。しかし、「主よ、主よ」とイエスのことを呼んで、イエスに従うことを公言している人のうちの多くが用意できていないという悪い知らせも知らされています。笑いごとではすまされません。

3 イエス・キリストの再臨の最も重要な知らせ

イエスが教えられた大切なことを忘れてはいけません。それは、再臨の最も重要な知らせです。悪い知らせと同じ箇所から見ることができます。
24章で弟子たちは、「いつ」と質問しました。36節を見ると、イエスが来られることは確実ですが、それが「いつ」なのかについては、父なる神以外わかりません。イエスは、「だから、目を覚ましていなさい」(42節)、「だから、あなたがたも用意していなさい」(44節)と教えられました。私は、イエスが栄光のうちに来られることを信じています。私は用意ができているようにしたいです。地上に残されたくありません。どのように用意をすればよいのでしょうか。
答えは、「『十人のおとめ』のたとえ」で、花婿を迎える用意ができていなかった人たちに向かって主人が言った言葉の中に見ることができます。「しかし主人は、『はっきり言っておく。わたしはお前たちを知らない』と答えた」(25章12節)。
「わたしはお前たちを知らない」とは、どういう意味でしょうか。イエスは神ですから、私たちのことをご存じないはずがありません。つまり、私たちの問題です。私たちにイエスとの個人的な関係がないということです。イエスは私たちの救いのために祈られた偉大な祈りの中で、イエス・キリストを知るようにと祈られました。「永遠の命とは、唯一のまことの神であられるあなたと、あなたのお遣わしになったイエス・キリストを知ることです」(ヨハネによる福音書17章3節)。

イエス・キリストを知る

もし、あなたがイエス・キリストを個人的救い主として信じ、受け入れ、主としているなら、永遠の命を持っています。再臨の最も大切な知らせは、個人的にイエス・キリストを知るために、私たちが祈りやみ言葉の学びをする必要を教えています。
イエス・キリストを知るというのは、単に知識や情報として知る以上の意味があります。イエスが救い主であることを信じ、イエスとともに歩み、人を救うイエスの言葉、神の力を体験することです。そして、自分がイエス・キリストを救い主と信じるようになった同じ経験を、大切な人もできるように祈り、人を救う神様の言葉の力を信じ、大切な人に用いるためのみ言葉を学ぶことによってです。
このようにして、主の再臨に備える者でありたいと思います。

*聖句は©️日本聖書協会

小林 勝/こばやしまさる

三育関町教会・新座集会所牧師

アドベンチスト・ライフ2023年8月号