セブンスデー・アドベンチスト教会

この山地をわたしにください!

この山地をわたしにください!

 韓国高陽市にて8月8日から11日までNSD国際宣教大会「前進」が開催されました。素晴らしい霊的祝福を受けた大会でした。世界総会テッド・ウィルソン総理はじめ、マーク・フィンレー総理特別補佐等そうそうたる説教者がみ言葉を取り次ぎ、心震わせる信徒や宣教師、牧師の証が次々と届けられました。
ハイライトは、最終日の11日安息日午後の韓国女性ミュージカル劇団スランミによる「カレブ」でした。民数記13章14章の物語を私たちはよく知っています。エジプトを脱出したイスラエルの民が約束の地カナンを目前に12人の偵察隊を送った物語です。40日の偵察を終えて帰ってきた12人のうち、「前進」を主張したのはカレブとヨシュアの2人だけでした。「断然上って行くべきです。そこを占領しましょう。必ず勝てます」(民数記13章30節)。しかし10人の偵察隊員は「退却」を主張しました。「いや、あの民に向かって上って行くのは不可能だ。彼らは我々よりも強い」「我々は、自分がいなごのように小さく見えたし、彼らの目にもそう見えたにちがいない」(同31、33節)。
10人の偵察隊員は人間として理性的に見た現実に捕らわれ、神の約束の現実を信仰によって見ることができなかったのです。そして、イスラエルの民はこの10人の言葉に同調しました。神はこのイスラエルの不信仰を悲しまれ、40年の荒野での彷徨へと導き、この世代は誰ひとり約束の地には入れないと宣言されるのです。しかし、信仰の人カレブに対する神の計画は異なりました。「しかし、わたしの僕カレブは、別の思いを持ち、わたしに従い通したので、わたしは彼が見て来た土地に連れて行く。彼の子孫はそれを継ぐ」(民数記14章24節)。「ただし、エフネの子カレブは例外である。……わたしは、彼が足を踏み入れた土地を彼に与え、その子孫のものとする。彼は主に従いとおしたからである」(申命記1章36節)。カレブが40歳の時でした。
イスラエルはついに約束の地に入り、85歳になったカレブはヨシュアに願い出ます。「御覧ください。主がモーセにこの約束をなさって以来四十五年、イスラエルがなお荒れ野を旅した間、主は約束どおりわたしを生き永らえさせてくださいました。今日わたしは八十五歳ですが、今なお健やかです。モーセの使いをしたあのころも今も変わりなく、戦争でも、日常の務めでもする力があります。 どうか主があの時約束してくださったこの山地をわたしにください。あの時、あなたも聞いたように、そこにはアナク人がおり、城壁のある大きな町々がありますが、主がわたしと共にいてくださるなら、約束どおり、彼らを追い払えます」(ヨシュア記14章10〜12節)。
「どうかこの山地をわたしにください」。それは「主がわたしと共にいてくださる」と徹底的に主に信頼し、従順であったカレブに約束された山地でした。私たちにも山地が約束されています。それぞれの教会が建てられている所、それは主のものになるという約束の山地です。今もうひとたび、信仰をもって遣わされた約束の宣教地を主のものとするために信仰をもって献身し、前進しましょう。

教団総理 島田真澄 アドベンチスト・ライフ2018年9月号