「さて、わたしたちには、もろもろの天をとおって行かれた大祭司なる神の子イエスがいますのであるから、わたしたちの告白する信仰をかたく守ろうではないか。この大祭司は、わたしたちの弱さを思いやることのできないようなかたではない。罪は犯されなかったが、すべてのことについて、わたしたちと同じように試錬に会われたのである。だから、わたしたちは、あわれみを受け、また、恵みにあずかって時機を得た助けを受けるために、はばかることなく恵みの御座に近づこうではないか」(ヘブル人への手紙4章14~16節、口語訳)。
私たちは助けを必要としているときはいつでも、天の至聖所におられる大祭司イエス・キリストのもとに行くことができます。そのことを教えていただいている私たちセブンスデー・アドベンチストは幸せです。私たちはどこに行けば助けてもらえるか知っているので、助けを求めている人たちにどこに行けばよいか教えてあげることができます。
私たちが完全になるまで伝道できないということはありません。伝道とは、道を教えてあげることです。道を聞かれても、その場所を知らなければ教えることはできません。博士であろうと大学教授であろうと、道を知らなければ教えられません。知っていれば小学生だって教えてあげられます。あなたが何者であろうと、教えてもらう人には関係ありません。道を知っているか知らないかだけが重要なのです。
あなたは道を知っています。だから伝道できます。特にセブンスデー・アドベンチストは、「今イエス・キリストは大祭司としてあなたの祈りを待っているのだから、あなたの問題をすべて包み隠さず申し上げなさい」とお勧めすることができます。「もっと聖書を勉強してから」とか「もうちょっと行いを改めてから」と待たせる必要はありません。主の名を呼ぶものは皆救われるのです。「完全に健康になってから医者に行きましょう」……そんなバカな話はありません。病人は病院に行くべきであり、罪人は天の聖所に行くべきです。
あなたが最後に天の大祭司イエス・キリストに告白をしたのはいつでしょうか。もうしばらくご無沙汰していますと言うなら、あなたの心はゴミ屋敷になってしまっているかもしれません。不良在庫の山になっていませんか。バプテスマを受けたときに告白して、それでおしまいと勘違いしていませんか。
7の70倍までも許せと言われた方が私たちの大祭司です。問題を抱える魂は「はばかることなく」、そして「大胆に」恵みの座のある至聖所に行くように招かれています。そこでこそ、あなたの自分の問題をはっきりと見ることができます。そこでこそあなたは許され、解放され、清められるのです。
*聖句は©️日本聖書協会
アドベンチスト・ライフ2025年1月号
教団総理 稲田 豊