セブンスデー・アドベンチスト教会

試練を乗り越えて

試練を乗り越えて

長引くコロナ禍の中、香港の民主主義が脅かされ、米国では人種差別問題が再発、大統領選が注目される中、日本でも突然の首相辞任、新首相選任と社会的、政治的な問題が続出しています。一方、北カリフォルニアに山火事が起これば、日本も連続して台風に襲われ、自然災害が後を絶ちません。被災者の皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

落ち着かぬ世相の中で、私たちの教会はそれぞれに粛々とその活動を進めています。コロナ禍の中、幾つかの教会は再閉鎖を余儀なくされ、牧師と担当者が毎週教会からのプログラム配信に努めています。また多くの教会は、短縮したプログラムをいつもより少ない人数で守り続けています。忘れずに祈りに覚えているのは、3月以来全く教会に出席できない教会員の方々のこと、そのケアに各教会さまざまな配慮をしておりますが、行き届かなき所はどうかおゆるし下さい。そして特に今、いかに求道者をつくり、救霊へと導くか上からの知恵が必要です。心合わせて祈ってまいりたいと思います。

児童、生徒確保だけでなく教師確保にも苦しむ三育教育界は、将来を見据えて初等、中等の学校の整理を視野に入れての計画立案と実行に着手し始めました。生き残りをかけて幾つかの事業展開を図ってきた大学も多額の借財を抱え、慢性的な赤字体質をいかに乗り越えるか大きな課題の前に苦闘しております。

コロナ禍の影響を受け、特に外来患者の減少の中で経営的苦境に立たされている三病院ですが、医療伝道の維持発展のために踏ん張り続けています。三病院がスクラムを組んで、それぞれのビジョン実現に向けて奮闘しています。特に現場職員の健闘に心から感謝するものです。

ソーシャル・ディスタンスと言われる中で、利用者の方々との接触なしにはその務めを果たすことのできない福祉機関は、祈りの中で守られ、大過なくその働きを推進できておりますことは感謝です。さらに祈りをもってこの働きを支えたいと思います。

自然食ブームとは言え、大手企業の参画により三育フーズもこの10年苦戦を強いられています。何とかこの現状を打破しようと社長以下一丸となって戦っております。海外の姉妹会社との業務提携も視野に入れ始めました。教会員の皆さまの三育食品愛用が、何よりの力となりますのでご愛用のほど、よろしくお願いいたします。

この終末時代に、教会、学校、機関、あらゆる方面から永遠の福音、三天使のメッセージを伝えようとするアドベンチストグループの使命遂行は決して容易ではありません。絶えることなく試練が私たちを襲ってきます。しかし私たちは信仰の民として、主の臨在と導きの中でこれらの試練を乗り越えていきたいと思います。私たちが主に忠実である限り、主は必ず主のための私たちの奉仕を祝福して下さると信じるからです。

主が私たちのすべての宣教事業主であるならば、「わたしたちは、四方から苦しめられても行き詰まらず、途方に暮れても失望せず、虐げられても見捨てられず、打ち倒されても滅ぼされない」のです(コリントの信徒への手紙二・4章8、9節 ©️日本聖書協会)。主の再臨の日まで、使命完遂のために祈りつつ忠実に献身していきたいと思います。

アドベンチスト・ライフ
2020年10月号
教団総理 島田真澄