「初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。神は言われた。『光あれ。』こうして、光があった」(創世記1章1~3節)
すべては、神の御心から始まりました。神は混沌の暗闇に、まず光を放ちます。それから、宇宙、地球、大自然、命あるもの、そして最後に人間が創造されました。神は人間を神のかたちに造り、相互の愛の中で永遠の命を生きることを願われました。しかし、神に背を向け、その愛の関係を否定し、罪に堕ちた人間は、再び闇に包まれます。罪の闇です。
その罪の闇の世界に、神の独り子イエス・キリストが命の光として舞い降りたのです。人間を救い、永遠の命を共に生きることが、神の御心だからです。
「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。この言は初めに神と共にあった。……この言に命があった。そしてこの命は人の光であった。光はやみの中に輝いている。そして、やみはこれに勝たなかった。……すべての人を照すまことの光があって、世にきた」(ヨハネによる福音書1章1~5、9節(口語訳)
罪の闇を完全に駆逐する光の降臨によって、神と人間との関係の再創造の計画が実行されました。イエス・キリスト、彼こそが人類の唯一の希望、救い主です。この光なるイエス・キリストを信じた者は、誰でも罪が赦され、救われ、神との関係を回復し、永遠の命を生きることができるのです。これが聖書の恵みの福音です。
「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ」「光の子となるために、光のあるうちに、光を信じなさい」「わたしを信じる者が、だれも暗闇の中にとどまることのないように、わたしは光として世に来た」(ヨハネによる福音書8章12節、12章36、46節)
私たちは、この光なるイエス・キリストを完全なる救い主として信じて光の子となり、永遠の光の中に生きています。キリスト者とは、救われた罪人であり、もう一人の小さなキリストです。キリストの使命を受け継ぐ、光の使者です。いまコロナ禍のさなか、世界は混沌の中にあります。人々は不安の厚い雲に覆われた闇の中で光を求めています。その中で、キリストという究極の光を証しし、その光を放つのがキリスト者の使命です。「あなたがたは世の光である」(マタイによる福音書5章14節)
世界はコロナで終わることはありません。災いによって滅びることもありません。救い主イエス・キリストは、この世界から彼を信じる光の子を救い出すために、再び降臨されます。この究極の希望を、アドベンチストは伝えるのです。
「起きよ、光を放て。あなたを照らす光は昇り/主の栄光はあなたの上に輝く。見よ、闇は地を覆い/暗黒が国々を包んでいる。しかし、あなたの上には主が輝き出で/主の栄光があなたの上に現れる」(イザヤ書60章1、2節)。主の再臨に希望を置くアドベンチストは、このような時にこそ希望の福音を伝えるために、一人ひとりが立ち上がるのです。
「そのとき、わたしは主の御声を聞いた。『誰を遣わすべきか。誰が我々に代わって行くだろうか。』わたしは言った。『わたしがここにおります。わたしを遣わしてください』」(イザヤ書6章8節)
このたび、任期満了に伴い、教団の代表を退くことになりました。10年間の皆さまのご加祷、ご支援に心から感謝いたします。これからも主の置かれた場所で、最期まで主からの使命を全うしていきます。光の使者として。I will go!
*聖句は©️日本聖書協会
アドベンチスト・ライフ
2021年2月号
教団総理 島田真澄