セブンスデー・アドベンチスト教会

シンプルな聖書の読み方

シンプルな聖書の読み方

エレン・ホワイトは、「クリスチャンの働きの基礎として小グループを形成することは、過ちのあり得ない方によって私に提示されました」(『教会への証』第7巻21ページ、英文)。と言っています。私は小さなグループで一緒に聖書を読んでいくことで驚くほど豊かな経験に導かれていきました。

『使徒たちの幻を追って』の著者ピーター・ローエンフェルト先生が5年ぶりの対面での全国牧師会において教えてくださったのが、2人か3人で組になり聖書を読むシンプルな方法でした。小グループで聖書を読むことのすばらしさは前から知っていましたが、もう一度再認識しました。

いくつかの小規模の教会で、この方法で礼拝中に2、3人で組になって聖書を読んでいただきましたが、皆さんの反応はとても好意的なものでした。聖書の知識の多い人と少ない人、信仰生活の長い人と短い人が組になっても、感想の分かち合いに何ら問題ないばかりか、むしろますます豊かな経験に導かれていくことを私は見いだしました。

この単純な方法は、多くの教会員やその家族に必ず大きな祝福をもたらすと思います。経験した方々は、自分の家族や友人の中に少しでも興味のある人がいたら、一度聖書を一緒に読もうと声をかけることができるようになるでしょう。不安を感じずに聖書を一緒に読んで分かち合うことができるからです。なぜなら自分で正解を探す必要がないからです。

分かち合いを深める簡単な五つの質問があります。教団伝道局で、この聖書の読み方、Discovery Bibile Reading のしおりを作成する予定ですので、ぜひ皆様も一度経験してみてください。ピーター先生は前述の『使徒たちの幻を追って』のなかで「現代の教会はとても複雑になっています」「複雑なものを単純化し、単純なものを増やしてください」(144、146ページ)。と言っています。この2、3人で聖書を読む方法はとても単純で、しかも大きな祝福をもたらします。

さらに私はエレン・ホワイトの次のような言葉に出会いました。「人々に教えを与える聖霊は、神の言葉の中に宿っている」(『キリストの実物教訓』第11章)。そうだとすれば、聖霊に満たされるためには、まずみ言葉を読むべきです。1人で読むよりも2、3人で読むほうが良いのです。どんな願い事であれ2人または3人で心を一つにして求めるなら、天の父はそれをかなえてくださるとイエスは言われました。(マタイによる福音書18章19、20節)。2、3人で聖霊の助けを祈り求めながら聖書を読むなら、必ずそこに聖霊が働きます。聖霊によってみ言葉が開かれると光を放ちます。(詩編119編130節)。そのとき、イエスご自身が私たちにとって神の知恵となってくださるのです(コリントの信徒への手紙一・1章30節)。

*聖句は©️日本聖書協会

アドベンチスト・ライフ2024年4月号
教団総理 稲田 豊