「あなたはさばきの胸当にウリムとトンミムを入れて、アロンが主の前にいたる時、その胸の上にあるようにしなければならない。こうしてアロンは主の前に常にイスラエルの子たちのさばきを、その胸に置かなければならない」(出エジプト記28章30節、口語訳)。
大祭司アロンは聖所での奉仕に際し、ウリムとトンミムといわれる宝石を、その胸の上に抱いていました。大切なことを決定するにあたって、神のご意思が示されるように求めたのです。エレン・ホワイトは次のように述べています。
「胸当ての左右には特に輝いた二つの大きな宝石があった。これはウリムとトンミムと呼ばれていた。これによって神のみこころが大祭司を通して知らされた。決定すべき問題が主の前に持ち出されたとき、右の宝石の周囲に光輪がかかれば、これは神の是認もしくは認可のしるしとなり、左の宝石にかげりができれば、これは拒否もしくは認可されないしるしとなった」(『人類のあけぼの』文庫版、中巻141ページ)。
8月号で私は、日本に三つある三育中学校に、来春、合わせて90名以上の入学者が与えられるように祈ってほしいと、皆様にお願いしました。これは祈りの戦いであるとも訴えさせていただきました。私たちが心を合わせて祈ることによって、主がお働きになれる範囲は広がっていくと信じております。多くの兄弟姉妹方が、この祈りの戦い、祈りのキャンペーンに参戦してくださったことに感謝いたします。
私たちには、祈らなくてはならないことがたくさんあります。三育教育機関も幼稚園から大学まで、どこも皆様方の祈りを必要としています。しかし私は、あえて焦点を三育中学校に絞りました。この一点に日本のアドベンチストの祈りを結集したいと願ったのです。もちろん三育の他の学校のことも他の機関のことも皆様に祈っていただきたいのです。でも、できるだけの多くの兄弟姉妹に加わっていただくために、あえて90名以上の子どもたちを三中学に求める祈りに絞って、年内の期間限定で訴えさせていただきました。ここを突破口にして、日本のアドベンチスト教育全体の復興をかけていきたいと思うのです。
同時に、この祈りは私たちにとって、現代版ウリムとトンミムだと考えています。天の至聖所で最後の働きをしておられる真の大祭司イエス・キリストの胸に、私たちはいま、み心を問うているのです。日本の三育教育、アドベンチスト教育を確かに主が導いておられるという是認の印をいただきたいと切に願っております。
それぞれのキャンパスの教職員は、骨身を惜しまず、教育の業に献身しています。彼らの献身に応えるためにも、進むべき道を主にはっきり示していただきたいのです。この祈りのキャンペーンも、あとわずかとなりました。皆様方の篤い祈りを切にお願いします。
*聖句は©️日本聖書協会
アドベンチスト・ライフ
2021年12月号
教団総理 稲田 豊