新型コロナウイルスによって世界中が不安と混乱に陥りました。世界中のアドベンチストは頻発する自然災害と共に、この災いから神の国が近づいていることを実感しています。人々がキリストに終末の徴について尋ねたとき、キリストはこうも答えられました。「そして、大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい現象や著しい徴が天に現れる」(©︎日本聖書協会 ルカによる福音書21章11節)。
コロナウイルスは確かに時の徴のひとつでしょう。「それから、イエスはたとえを話された。『いちじくの木や、ほかのすべての木を見なさい。葉が出始めると、それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる。それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、神の国が近づいていると悟りなさい』」(29~31節)。
神の国が近づいています。今こそキリストと共に主の家に入り、終わりに向かって備えをすべきでしょう。キリストにのみ救いがあることを信じましょう。私たちには自分を救うことはできないのです。一人ひとりがキリストの義を確かなものにしましょう。キリストの十字架の血に全く信頼し、すべてを委ねる者でありたいと思います。キリストを信頼する者を、神は最終的な滅びからも、その前のすべての災いや不安からも、必ず守ってくださいます。「ひとつのことを主に願い、それだけを求めよう。命のある限り、主の家に宿り/主を仰ぎ望んで喜びを得/その宮で朝を迎えることを」(©︎日本聖書協会 詩編27編4節)。
「神は羽をもってあなたを覆い/翼の下にかばってくださる。神のまことは大盾、小盾。夜、脅かすものをも/昼、飛んで来る矢をも、恐れることはない。暗黒の中を行く疫病も/真昼に襲う病魔も……あなたは主を避けどころとし/いと高き神を宿るところとした。あなたには災難もふりかかることがなく/天幕には疫病も触れることがない。主はあなたのために、御使いに命じて/あなたの道のどこにおいても守らせてくださる」(91編4~6、9~11節)。
もちろん信仰者であってもコロナウイルスに侵されることもあるでしょう。しかし、それは決して永遠の死に至る病とはなりません。キリストが共におられるからです。主が信じる者と永遠に共におられるからです。主の私たちに対する愛は無限であり永遠です。主の与えてくださる霊的な平安、安息は永遠です。私たちは永遠の聖所に招かれているのです。
「それで、兄弟たち、わたしたちは、イエスの血によって聖所に入れると確信しています。……約束してくださったのは真実な方なのですから、公に言い表した希望を揺るがぬようしっかり保ちましょう。互いに愛と善行に励むように心がけ、ある人たちの習慣に倣って集会を怠ったりせず、むしろ励まし合いましょう。かの日が近づいているのをあなたがたは知っているのですから、ますます励まし合おうではありませんか」(©︎日本聖書協会 ヘブライ人への手紙10章19、23~25節)。
コロナウイルスによって今までのような安息日の集会を持つのが困難になっています。しかし、天よりの知恵によって新しい形の集会を積極的に模索し、互いに励まし合っていきましょう。神の国は着実に近づいています。
アドベンチスト・ライフ
2020年4月号
教団総理 島田真澄