PDFダウンロードルビ・画像付きはこちらからご覧ください
第9課 神の統治の基礎 鈴木優人
[暗唱聖句]
竜は女に対して激しく怒り、その子孫の残りの者たち、すなわち、神の掟を守り、イエスの証しを守りとおしている者たちと戦おうとして出ていった。(黙示録12:17、新共同訳)
1.安息日午後
神の律法は真の礼拝の基礎です。サタンの目的は神の律法をぐちゃぐちゃにして、人が神を正しく礼拝することができないようにすることでした。これは終わりの時代にとても関係している大事なテーマです。
今週は聖所、律法、安息日や獣の刻印について学びます。これらは終わりの時代の今まだ経験したことがない大きな迫害を乗り越えるのに必要な学びになるでしょう。
2.日曜日:聖所と律法
「そして、天にある神の聖所が開けて、聖所の中に契約の箱が見えた。…」(黙示録11:19、口語訳)
旧約時代、イスラエルの人たちの礼拝の中心は幕屋の聖所、ソロモンの時代以降には石造りの聖所(神殿)にありました。
聖所の一番奥には至聖所という部屋があります。至聖所には1年に1回、贖罪日のときだけ、大祭司だけが入ることができ、1年間のイスラエルのすべての罪を取り除くための儀式をしました。
至聖所には十戒の石の板が収められた「契約の箱」が置かれています。この儀式のときには、「贖いの座」と言われる契約の箱の黄金の蓋の上に山羊の血が注がれるのです。この「贖いの座」には神様がおられることを表す「シェキーナ」という光の輝きがありました。
この儀式は神様の憐れみと正義を表しており、キリストの十字架で流される血によって私たちが罪から清められることを象徴しています。地球で作られた聖所(神殿)は実は模型のようなもので、本物の聖所は天国にあります。初期のアドベンチスト信者たちは黙示録11章の研究で、天国にある本物の至聖所にも十戒が置かれているなら、今も十戒は安息日の戒めを含めて変わることなく大切な戒めだということに気が付きました。
3.月曜日:神の律法の不変性
「わたしが律法や預言者を廃するためにきた、と思ってはならない。廃するためではなく、成就するためにきたのである。よく言っておく。天地が滅びるまでは、律法の一点、一画もすたることはなく、ことごとく全うされるのである」(マタイ5:17,18、口語訳)
旧約聖書の律法には細かく数えると全部で613の律法があると言われています。
いくつかのキリスト教会ではイエス様の十字架によってすべての律法は廃止されたからクリスチャンはすべての律法を守る必要がないと教えています。しかし、律法には、儀式や聖所の奉仕に関する決まり事についての律法(礼典律)と、十戒に含まれている人の生き方についてを定めた律法(道徳律)に分けて考えることができます。聖所や旧約の儀式はイエス・キリストを象徴するものでしたから、イエスの十字架によって確かに礼典律は役割を終えました。しかし、人がどのように神と人を愛しながら生活すればよいのかを定めた道徳律は十字架で役割を終えることはありません。これは永遠に存続するものです。なぜなら、神の律法は神の品性の写しであり、すべての人の生き方の基準だからです。その基準の中には、十戒第4条の安息日の律法も入っていますから、安息日は昔も今もこれからも変わらず大切なのです。
4.火曜日:安息日と律法
「わたしは、もうひとりの御使が中空を飛ぶのを見た。彼は地に住むもの、すなわち、あらゆる国民、部族、国語、民族に宣べ伝えるために、永遠の福音をたずさえてきて、大声で言った、『神をおそれ、神に栄光を帰せよ。神のさばきの時がきたからである。天と地と海と水の源とを造られた方を、伏し拝め』。(黙示録14:6,7、口語訳)
私たちが神様を礼拝する理由は、神様が私たちを造ったからです。そして、それだけでなく、私たちを罪から救ってくれたからです。安息日は、この2つの出来事を記念する日です。7日ごとに、私たちは神様が私たちを造ってくれたことと、罪から救ってくれたことを思い出し、感謝して礼拝をします。安息日を守って仕事を休むことは、私たちが神様を心から信頼していることを表すのです。安息日を守ることは私たちが神様の守りの中にいることがわかる特別なしるしでもあります。安息日を守りながら、いつかこの世界が罪のない世界に作り変えられ、そこに住むことができるという約束を思い出しましょう。
5.水曜日:獣の刻印
黙示録12章、13章では、サタンは政治権力をあらわす「獣」を背後からあやつって、世界を支配します。この獣はダニエル7章で学んだ角と同じ1260年間活動します。つまり、獣と角は同じ勢力を表します。キリストとサタンの大争闘は礼拝をめぐる争いです。人は創造主を礼拝するか、ほかの何か(その背後にはサタンがいる)を礼拝するかのどちらかなのです。サタンは人が自分に礼拝することを望んでいるために、時に関する律法を変えようとしました。十戒の中で時に関する律法は第4条の安息日の律法だけです。サタンは安息日を土曜日から日曜日に変更したのです。
それでも神様に忠実な人は、第七日安息日を含めて神の掟を守り続けます。神の聖なる安息日に礼拝せよという三天使のメッセージを拒否して日曜日に獣を礼拝する人たちは、獣の刻印を受けます。(黙示録14:9〜11参照)
6.木曜日:三天使のメッセージ
黙示録14:6〜12を読んでください。
第一天使は、裁きが近いので、創造主を心から礼拝しなさいと叫びます。
第二天使は、うその宗教や間違った礼拝からすぐに離れなさいというメッセージです。
第三天使は、「獣とその像」を礼拝してはならないという警告です。
すべての人は、創造主を礼拝するか、獣(サタン)を礼拝するかのどちらかを選ぶ必要があります。その選択は取り消すことのできない最終的な決断となるのです。
世界の終わりが近づくと、神に忠実な人たちには最大の迫害がおこります。それでも忠実な人たちは神の戒めを守り、安息日を守り続けながらキリストに従って生きるのです。彼らは、イエス「の」信仰を持っています。それはサタンのあらゆる誘惑や試練があっても、気持ちが揺らぐことのない、神様への信頼に満ちた信仰です。苦しい事があっても信じ続ける信仰です。その信仰が、世界の終わりの時代に危機でも私たちが乗り越えられるようにしてくれます。
7.金曜日:さらなる研究
ローマ・カトリック教会の教皇が礼拝の日を日曜日に変更しました。世界には今でも日曜日が正しい安息日だと信じている人たちがいます。それは聖書の神様よりも人間が決めたことを大事にしていることになります。いつか正しい安息日が土曜日だとわかっても、日曜日を守り続ける人たちが「獣の刻印」を受けるのです。
話し合いのための質問
・世界が終わりに向かって驚くほど早く変化しています。世界の終わりに備えてあなたはどんな準備をしていますか。