安息日学校部

第1課 聴覚しょうがい者用 武田将弥

2024年第1期「詩編

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第1課  あらゆる戦いの背後にある戦い   武田将弥

 

1.安息日午後

ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう。」(創世記/2:17)

皆さんは、この世界には神様がおられるというのに、どうして悪魔や悪い人がそのままにされているのだろう?とか、最初からアダムやエバが命令を絶対に守れるように造っていればよかったのに…とか、エデンの園に善悪の知識の木など置かなきゃいいのに…など、もし自分が神様だったらこうするのにな~とか、最初からこうしてくれていたら良いのになぁ~などと考えたことはありませんか? 今週の学びを進めるとこれらの疑問が明らかになってくると思います。

 

2.日曜日:天における戦い

お前が創造された日から/お前の歩みは無垢であったが/ついに不正がお前の中に/見いだされるようになった。(エゼキエル書28:15)

神様はこの世界を造られましたが悪魔サタンを造ってはいません。悪魔サタンは天使ルシファーです。神様が造られたのは天使ルシファーでした。しかし天使ルシファーの心に、やがて嫉妬やプライドなどの醜い心が広がっていき、ついに神様に反抗する悪魔サタンになってしまったのです。どうして素晴らしい天使だったのに悪魔サタンになってしまったのか細かいことまでは分かりません。しかしアダムやエバと同じように、天使たちもそのまま正しく生き続けることも、神様に逆らって悪くなることも、自分で自由に選ぶことが出来るように造られました。神様はただ命令を聞いて実行するロボットではなく、自分で自由に考えたり動いたりする、心を持った生き物たちでこの世界を造られたのです。

 

3.月曜日:ルシファーは欺き、キリストは勝利される

竜の尾は、天の星の三分の一を掃き寄せて、地上に投げつけた。(ヨハネの黙示録/12:4)

わたしは、天で大きな声が次のように言うのを、聞いた。「今や、我々の神の救いと力と支配が現れた。神のメシアの権威が現れた。我々の兄弟たちを告発する者、/昼も夜も我々の神の御前で彼らを告発する者が、/投げ落とされたからである。(ヨハネの黙示録/12:10)

聖書によると、ルシファーの裏切りのせいで天の戦いが起きた時に、すべての天使たちはイエス様か、それともルシファーかの、必ずどちらかのグループに入って戦うことになりました。ほとんどの天使は神様側のグループに残りましたが、なんと三分の一の天使はルシファーの嘘を信じてしまい、ルシファーと一緒になってしまったのです。天での戦いはもちろん神様グループの勝ちでしたが、これは天使の人数が多かったから勝てたのではなく、神様が完全なる正しいお方なので勝利されたのです。

 

4.火曜日:巻き込まれる地球

神に逆らう者は自分の欲望を誇る。貪欲であり、主をたたえながら、侮っている。神に逆らう者は高慢で神を求めず/何事も神を無視してたくらむ。(詩編10:3、4)

聖書の説明している罪というのは法律違反(神様の決めた決まりを守らない)のことではなく、神様の愛から離れてしまうことを罪と教えています。そして神様の愛から離れてしまうと死んでしまう決まりです。地球が創造された時も初めは完璧でした。しかしルシファーと同じように人間も正しく生きるか、それとも神様に逆らって生きるかを選ぶ時に、悪魔に騙されて神様に逆らうことを選ぶ罪を犯してしまいました。

 

5.水曜日:愛は方法を見いだす

天地創造の前に、神はわたしたちを愛して、御自分の前で聖なる者、汚れのない者にしようと、キリストにおいてお選びになりました。(エフェソの信徒への手紙1:4)

わたしたちはこの御子において、その血によって贖われ、罪を赦されました。これは、神の豊かな恵みによるものです。(エフェソの信徒への手紙1:7)

アダムとエバが神様に逆らうことを選ぶ罪を犯すと、人間だけではなく世界にも罪の影響が出てきて、苦痛や病気など今までになかった、人を苦しめるものが起きました。この世界は神様がおられるのに、なぜ病気や死などの苦しみがあるのかというと、神様のせいではなく、全ては悪魔サタンと神様に逆らった罪のせいなのです。

神様に逆らうことを選んだ罪のせいでアダムたちは死ぬことが決まり、エデンの園からも追い出されることになりましたが、神様は再び救いのチャンスを与えて下さいます。それがイエス・キリストの※1贖いの十字架です。

※1贖い:神様から離れたために死ぬことが決まった人間に永遠の命を与えてもう一度神様と繋がるために、代わりにイエス・キリストの命を捧げて十字架にかけられること

6.木曜日:私たちの大祭司

こうして、時が満ちるに及んで、救いの業が完成され、あらゆるものが、頭であるキリストのもとに一つにまとめられます。天にあるものも地にあるものもキリストのもとに一つにまとめられるのです。キリストにおいてわたしたちは、御心のままにすべてのことを行われる方の御計画によって前もって定められ、約束されたものの相続者とされました。(エフェソの信徒への手紙1:10、11)

イエス様は神であり、神様に逆らう罪のない完全な存在であり、この世界や人間を全て造ったお方だからこそ、私たち罪人の身代わりに十字架にかけられることが出来ました。私たち人間では誰かの身代わりになることは出来ません。イエス様が救い主と呼ばれる理由は、命をかけて私たちを天の国に招いてくださるからです。この素晴らしく有り難い話を知ったら、自然と感謝の気持ちが湧いてくると思います。神様への愛の応答(愛に従う)として、真心からの礼拝と賛美を捧げましょう。

 

7.金曜日:さらなる研究

悪魔は怒りに燃えて、/お前たちのところへ降って行った。残された時が少ないのを知ったからである。(ヨハネの黙示録/12: 12)

イエス様の十字架での死は、善と悪の大争闘の結果が出たことの知らせにもなりました。キリストの勝利が決まったのです。しかし悪魔は滅びることが決まったのに、自分が滅びることを素直に受け入れられずまだ諦めていません。自分が滅 びる運命だと知って、私たち人間を一人でも多く自分と一緒に滅びに連れて行こうと暴れ回っているのです。世界は巻き添えを受けていますが、祈りながら神様と共に乗り越えることが出来るのです。

 

★振り返りの質問★

なぜ神様は、ルシファーが神様に逆らった時にすぐ滅ぼさなかったのでしょう。そして、もしも悪魔サタンになった時にすぐ滅ぼしていたら、宇宙に生きている者たちは悪魔サタンがすぐに滅ぼされたことを見て、どう感じたでしょうか。考えてみましょう。

※逆らう:従わないという意味です。