セブンスデー・アドベンチスト教会

第78日—祈りの課題—2020年6月20日 土曜日

第78日—祈りの課題—2020年6月20日 土曜日

第78日—祈りの課題—2020年6月20日 土曜日

心配するのをやめて、ただ信頼するとき

シク・ダコ
(世界総会安息日学校部で開発された新しい若者の聖書研究カリキュラム『inVerse』のシニア編集アシスタント。有機化学とフランス語で学士号を得、そしてアンドリュース大学で組織神学を強調する宗教の修士号を取得。聖書研究と青年伝道に情熱を傾け、Hope Channelの『inVerse』- バイブル・ディスカッション・ショーのパネリストとしても活躍している。夫アーチーとの間に、4歳、2歳、9ヶ月の3人の男の子がいる)

最初の子どもが生まれたときのことです。私は、生後数ヶ月の赤ちゃんに起きる可能性のある問題について、あらゆる記事を読みあさりました。多くの人が言うように「備えあれば憂いなし」です。息子は手指も10本、足指も10本、そして優れたアプガー健康指数をもつ満期の赤ちゃんでした。それでも、息子の無邪気な顔を見つめていると、命の脆さを強く感じ、どうしようもない不安に襲われたのです。

読みあさりが進むにつれて、私は乳幼児突然死症候群(SIDS)という言葉を発見し、それからというもの、中毒のようにネット検索を続けました。私が読んだ文献やSIDSで赤ちゃんを亡くした母親の体験談は、自分の子を守りきれない不安をどんどん募らせてゆきました。ある時は、ベビーベッドの上に、何も物を置かないように勧めている記事を読みました――毛布もダメ、動物のぬいぐるみもダメ――どんなものでもSIDSの原因になる可能性があるというのです。また別の時には、SIDSの予防策に完全に従った母親が、ある朝目を覚ましてみると、ベビーベッドの中で赤ちゃんが死んでいた、という証言を見つけ、すっかり困惑してしまいました。

もしそれが私の赤ちゃんだったら? 家族を危険な目に合わせないために、私はとても神経質になっていました。赤ちゃんのすべての動作、クークーという寝息、ちょっとした呼吸の変化で、私はすぐに目を覚ましてしまい、十分に睡眠をとることもできずに疲れ果ててしまいました。「分け合うことが思いやり」がモットーの私は、夫にも自分の不安を共有してもらうことにしました。その夜、息子が6時間以上も眠っていたので、主人は赤ちゃんが息をしているかどうか確かめるために、見張り番をしなければなりませんでした。そんな場面を想像できますか? 私たちは惨めな不安のかたまりになっていたのです。

SIDSから子どもを守ろうと努力すればするほど、無力感を味わった私たちは、子どもの安全、保護、幸せを守ろうとする自分の努力が、どれほど脆いものであるかようやくわかってきました。実際に、私は自分や夫の幸せすら守ることができないのに、赤ちゃんの幸せを守ることなどできるはずがなかったのです。

無力さに圧倒されながら、私は自分をキリストに導いてくれた母親のことを思い出しました。彼女は一体私をどのように守ってきたのかしら? 子どもの周りには危険があふれているのに、どうして安眠することができたのかしら?

その答えは簡単でした。「キリストを信頼しなさい。」

「あなたの子を寝かしつけるたびに、まどろみも眠りもしない神様のみ手に委ねなさい」と言うのが母親の助言でした。「祈りのうちに子どもを主に委ねて、お任せしなさい。」

毎晩SIDS対策をしても、息子を完璧に守ることはできません。そのことで私は多くのエネルギーを費やしていたので、「何かをしている」という誤った安心感を覚えていたのです。しかし実際には、どれだけ心配したからといって、息子が一晩中呼吸するのを支えることなどできるはずがありません。

キリストは次のように言われました。「あなたがたのうちだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。」 (©日本聖書協会)マタイ6:27 あなたの心配は問題を解決しません。状況を良くすることもありません。むしろ逆です。その状況に価値のあるものを提供する代わりに、あなたの判断を曇らせ、ストレスが何であれ、それを扱う能力を低下させるだけです。

あなたは経済状態を心配しています。自分の学歴について心配しています。自分の子どものことで心配しています。自分の結婚生活について心配しています。自分の健康について心配しています。世界の状況と、コロナウィルス・パンデミックの長期間の影響について心配しています。将来と、ここからどこに向かうべきかについて心配しています。あまりに心配しすぎているあなたのことが心配です! これではきりがありません。

エレン・G・ホワイトは次のように言っています。
「わたしたちが、自分の関係していることを自分の手で処理し、自分の知恵だけで成功させようとすることは、神から与えられていない重荷を引き受けて、神の助けなしにそれをになおうとしているのである。そうすることは、神の責任を自分でとり、事実上自分自身を神の地位においているのである。危険や損害は、確かにふりかかってくるのであるから、それを予想して懸念するのももっともなことである。だが神はわたしたちを愛して、恵みを施そうとしておられることをほんとうに信じる時、わたしたちは将来のことを心配しなくなる。わたしたちは、ちょうど子供が愛情深い親を信頼するように、神を信頼する。その時、わたしたちの意志は神の意志に没入して、悩み苦しみは消えてゆくのである。」 『祝福の山』 124ページ

罪の世界においては、困難な状況は間違いなく起こるでしょう。この世の知恵は「どんな災難にも備える最善の方法は、できるだけ知識を蓄えること」だと言います。まさに「備えあれば憂いなし」です。しかし、突然の嵐の中で平和を生み出そうとするとき、この世の知識はまったく役にたちません。私たちに平安を与える唯一の備えとは、極微細な原子から無限の宇宙に至るまで、すべてを創造され、維持しておられる神様と継続的な信頼を築くことです。喜ばしいことに、キリストは今日も、私たち一人ひとりの人生を守ってくださっているのです!

瞑想しましょう:
この危機の中であなたの信仰が試されましたか? すべての状況や思いの中で、良い解決策が見えないときに、神様に信頼することは難しかったでしょうか? あなたに対する神様のお約束にもっと信頼し、さらに強い信仰が与えられるように祈り求めましょう。

実践しましょう
心配、不安、ストレス。これらは私たちが困難や手におえない状況に直面したときに、自然に起きる反応です。あなたの人生、あなたの家族のことを考えてみましょう。あなたを心配させているものは何でしょうか?  あなたを恐れさせるシナリオは何でしょうか? 聖書を開いて、神様から平安と力を約束されているみ言葉と物語を見つけてみましょう。それらを読み、書き出し、暗唱して、信じましょう。私たちの神様にとって解決できない問題など本当にあるでしょうか?

さらに深く学ぶために、今週、以下の書籍をお読みになることをお勧めします:
『各時代の希望』 第35章 「静まれ、黙れ」  エレン・G・ホワイト著

賛美の報告:
1、お祈りをありがとうございます。 私のいとこと彼の妻はコロナウィルス感染からほぼ回復することができました。(H牧師より)
2、この危機のときに、ある人が、文書伝道者を支援するために多額の献金を捧げました。文書伝道者たちは、困難な状況であるにもかかわらず、霊的な書籍を人々に届けるための新しいユニークな方法を見つけています!

祈りの課題

  1. この危機の中で、神様への強い信仰と、さらなる真理の理解が与えられるようにお祈りしましょう。
  2. モビールセンター・オブ・インフルエンス(感化力のある移動伝道センター)として用いられている、パナマ市のタクシー運転手のメンバーのためにお祈りしましょう。パナマ国民の半分はパナマ市に住んでいるからです。
  3. 西ナイジェリア・ユニオンでまもなく始まる、アドベンチスト女性ミニストリーの小グループのためにお祈りしましょう。
  4. あなたの周りにいる家族のためにお祈りしましょう。キリストに惹きつけられているのに、まだキリストを個人的な救い主として受け入れていない人々のためにお祈りしましょう。