信徒伝道部

健全教会形成の重要な要素である「多機能的小グループ」を運営していくための効果的なツールです。

どんな事柄においても学びや訓練が必要なように、伝道も訓練なしではうまくいきません。
どんなに教会を成長させようと望んでも、必要な訓練がなされなければ、効果的な伝道を行なうこともできません。

いきいき弟子講座は、単に効果的な伝道方法というだけでなく、学ぶ者1人ひとりが「地の塩」「世の光」となるよう導いてくれます。

1 暗唱聖句
いきいき弟子講座の中心となる柱が、暗唱聖句です。 この講座を通してクリスチャン生活に大切な聖句を覚えることができます。 また暗唱聖句の習慣がついて、たくさんの聖句を覚えることができるようになります。 暗唱聖句を通して多くの霊的栄養を摂ることができるので、クリスチャン生活はとても充実したものとなります。
2 祈りの日誌
講座では、毎朝祈りの時間をもつよう推奨されています。 「祈りの日誌」はクリスチャン生活を、豊かで実り多いものとするのに、たいへん効果的な方法です。 「祈りの日誌」を記すことで、神さまが常にあなたと共に働いておられることを実感し、また神さまが必要なものをすべて備えてくださっていることを体験することができます。
3 訓練プログラム
効果的な訓練はグループで行なわれます。 この講座は学ぶ1人ひとりを、成熟したクリスチャンへと導き、また人間としての広さや深みを増し加えることを助けます。 効果的な訓練は、有能な伝道者を育て、それぞれのおかれた場所で、自然に神さまの愛と光をあかしすることができるようになります。
4 チーム伝道
いきいき弟子講座の最終目標は、この講座を学んだそれぞれがケアグループ ( 多機能的小グループ ) と呼ばれるチームを構成して伝道することです。 グループを通してさまざまな奉仕がなされます。またケアグループには常に新しい求道者が招き入れられ、共に学び、励まし合い、成長する機会となります。 このチーム伝道が健全な教会を形成していく重要なカギとなります。

 

だれが使うための教材?

この教材について最初に紹介された2008年の全日本大会(信徒大会)では、特別講師のジョニー・ウォン氏がセミナーで「ケアグループ」と呼ばれる多機能小グループを中心とした、信徒による弟子訓練と開拓伝道について語られました。「ケアグループ」が求道者に対して効果的な教化と養育の母体となることによって、世俗化されたオーストラリアの都市部で、短期間に数百人規模の教会を組織することができたウォン氏のあかしは、同じく世俗化された都市での伝道の困難さにあえいでいる日本の教会にとって、希望の光を示してくれたように思います。

このセミナーを受けて、伝道局では「ケアグループ」を組織するための核となる信徒を育成するための教材として「いきいき弟子講座」を発行しました。つまり、この教材は信徒が「ケアグループ」と呼ばれる伝道の最前線母体となる多機能小グループで、リーダーやスタッフとして奉仕する伝道者としての弟子となる訓練のための教材なのです。

ところが、このことが明確に説明できていなかったきらいがあり、「いきいき弟子講座」を求道者を交えた小グループで用いる聖書研究教材のひとつと受け止めておられる方が多いことがわかりました。もちろんそのような用い方をされたとしても全く使用できないわけではありませんが、教材本来の目的は達成できないことを考えると残念に思います。

何を学ぶための教材?

この講座では毎週必ずいくつかの聖句を事前に暗唱し、10 項目程度の質問について予習することが求められます。「入門講座」「基礎講座」「育成講座」のすべてを合わせると、毎週 1 度集まっても約半年は費やすことになり、暗唱しなければならない聖句の数は、最低でも 23、多い人は 50 以上にもなります。このために参加者が個人的に投じなければならないエネルギーや時間は決して少ないものではありません。また家庭を解放して集会場所を提供する方にとっては、さらに大きな犠牲を強いるプログラムです。

しかし、実はこのことこそが「いきいき弟子講座」が示そうとしている内容そのものなのです。信徒のリーダー、それに協力する複数の信徒スタッフによって組織される「ケアグループ」が、伝道的な小グループとして機能するためには、まず犠牲を払う覚悟で献身した弟子としての信徒が育成されなければなりません。この講座の研究を通して、まず参加者が迫られるのは、このような犠牲を伴う献身の覚悟があるか、ということです。

したがって、この教材を求道者のための聖書研究に用いることは本来的な目的ではない、ということになります。この教材は、聖書のみ言葉を暗唱する、という単純かつ最善の方法を用いて、信徒が信徒同士で伝道者となるための弟子訓練を行うために用いるものです。このことをよくご理解の上、あなたの教会でもぜひ「ケアグループ」による伝道、及び教会の健全形成を目指していただければ幸いです。

ケアグループをはじめるには

2008年に埼玉県の国立女性教育会館で行われたセブンスデー・アドベンチスト全日本大会の特別講演で、ジョニー・ウォン長老(ゲートウェイ・アドベンチスト・センター)によってケアグループが紹介されてから4年がたちました。また、2012年の4月にリテンション・プロジェクト研修会2012のためにジョニー・ウォン長老が再来日され、ケアグループについてさらに詳しい講義をしてくださいました。このケアグループは、リテンション・プロジェクトに関わっている教会だけでなく、日本の全てのアドベンチスト教会が取り組む価値のあるものです。そこでこの機会にジョニー・ウォン長老の講義や資料をもとにケアグループについて簡単にご紹介いたします。

ケアグループとはなにか

ケアグループの「ケア」は英語のChrist’s Attitude Reflected Everyoneという4つの単語の先頭のアルファベットを取って並べたCAREという言葉から来ています。日本語にすると「キリストの態度が皆に反映されている」という意味になります。ですから、キリストの品性がグループの人間関係の中で実践されているのがケアグループなのです。また、英語のケアという言葉は「お世話をする」という意味もありますので、グループのメンバー一人ひとりがお互いのことを心から気にかけてお世話をし合うグループだとも言えます。

ケアグループではなにをするのか

ケアグループは使徒言行録2:42に書かれている初代教会の様子をモデルにしており、グループで集まって一緒に4つのことを行います。つまり、①パンをさく(食事)②使徒の教え(聖書の学び)③交わり(分かち合い)④祈りの4つです。この4つの要素が毎回の集会に必ず入っていることが重要です。どの1つの要素でも欠けてしまうとケアグループはうまくいきません。このような集まりを定期的に、最低週1回持つようにします。

ケアグループの目標はなにか

ケアグループが目指す目標は大きく3つあります。1つは魂の救霊、つまり求道者のバプテスマです。そのためにはケアグループには求道者がいなければなりません。近所の友人、趣味の仲間、クラブやサークルの知り合いなど、普段から社交的な交わりの中でケアグループの霊的な交わりに誘いたい人を見つけて、その人を誘うことについて毎日祈っていると、適切な時を神さまが示して下さるでしょう。2つめはグループのメンバーの霊的成長です。求道者にキリストを証ししたり、メンバー同士のお世話をし合う中で自分の足りなさを感じるでしょう。それによってキリストの助けが必要であることをもっと感じ、祈りつつキリストに従うことによってグループ全体が霊的に成長していきます。3つめはグループの量的成長です。このような御言葉や祈りを中心とした霊的で親しい愛の交わりが本物であれば、たくさんの人がこの交わりの中にいることを心地よく感じ、結果としてグループは量的にも成長していくのです。

はじめるためにどのような準備が必要か

ケアグループをはじめようと思ったら、準備として一番大切なのは祈ることです。幻をもって祈ることです。自分が働きかけるべき対象はどういう人たちなのか、誰とチームを組んでケアグループを立ち上げればいいのか、どこで行うのがいいのか、など祈って神さまと相談しなければならないことがたくさんあります。また、リーダーとして整えられるために「いきいき弟子講座」を始めることです。この講座を通してリーダーとして必要な、①キリストと同じ幻を持つこと、②御言葉の知識を蓄えて霊的に成長すること、③自分の時間やエネルギーを割いて献身すること、④砕かれた謙遜な心で誰からでも学ぼうとすること、⑤時間や約束を忠実に守ること、といった大切な要素が育てられていきます。牧師と一緒に始めるといいでしょう。またこの講座は、あなたのケアグループが大きくなった時に、分割するグループのリーダーになるような人と、今度はあなたが一緒に学び、次のリーダーを育てることになります。そのリーダーはまた次のリーダーを育て、そのようにして次から次へとねずみ算式に、献身したリーダーとなる伝道者が増えていくのです。もちろん育てるのはあなたではなく、聖霊の神様です。祈りつつ、献身したリーダー育成のための道具として「いきいき弟子講座」を用いてください。

暗唱聖句の歌
いきいき弟子講座を効果的に学ぶため、暗唱聖句を歌にしました。楽しみながら、おぼえることができるよう、ぜひお役立てください。