セブンスデー・アドベンチスト教会

チームパウロ

チームパウロ

水泳選手の北島康介氏は、平泳ぎの100メートルと200メートルの2種目でオリンピック2連覇の偉業を成し遂げました。この2種目での連覇は世界で初めてのことでした。
北島選手が素晴らしい水泳選手であったことは間違いありませんが、この偉業の達成は彼の力だけではなく、彼の力を引き出した「チーム北島」と呼ばれる専門家集団の存在が知られるようになりました。オリンピック2連覇の前から、NHKのクローズアップ現代「世界新はこうして生まれた─チーム北島の挑戦」で、このチームの存在が紹介されています。
北島選手が次々と記録を打ち立てていく中で、「チーム北島」という言葉が人口に膾炙されるようになりました。ローマ人への手紙16章に延々と続く、誰々によろしくという挨拶は、ときに退屈に思えます。しかしあるとき、この箇所を読みながら、これは「チームパウロ」のメンバーだったのではないかと思い至りました。
ケンクレヤ教会の女執事フィべについては、「彼女は多くの人の援助者であり、またわたし自身の援助者でもあった」(2節)と言われています。プリスクラとアクラについては、「彼らは、わたしのいのちを救うために、自分の首をさえ差し出してくれたのである」(4節)と、パウロは最大限の謝辞を述べています。ルポスという人物の母親について、パウロは、「彼の母は、わたしの母でもある」(13節)とまで言っています。他にも、共に投獄された仲間や苦楽を共にしてくれた人々の名前が挙げられているのです。
まず目につくのは、チームパウロを構成している女性の比率の多さです。当時の社会状況を考えると、これは異常な女性の多さではないでしょうか。聖書にはここにしか名前の出てこない無名の人々がいます。パウロによって、彼ら、彼女らの名前はローマ書に記され、2000年後の私たちに伝えられました。彼らがパウロの使徒としての働きを支えていたのです。
使徒はスーパースターではないし、むしろそうであってはなりません。使徒の働きはひとりですべてを行うワンオペであってはならないのです。
「牧師は使徒に」という指針を実現するためには、サポートチームが必要です。「信徒は弟子に」と「牧師は使徒に」という二つの指針は切り離すことができません。パウロは聖霊によってビジョンを与えられたら、大胆に弟子たちに提示してサポートを求めました。聖霊はいま、最後の大宣教のためのチームを数多く形成しようとしておられます。

「そしてこの御国の福音は、すべての民に対してあかしをするために、全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである」(マタイによる福音書24章14節)。
アルファでありオメガであるイエス・キリストをお迎えするためです。

*聖句は©️日本聖書協会

アドベンチスト・ライフ
2022年5月号
教団総理 稲田 豊