セブンスデー・アドベンチスト教会

あるアドベンチスト教会の成長方法

副題:“イェス様の宣教を果たすこと”
その①「霊的飢え渇きへのチャレンジ」

近年の北アメリカでは、人口の80%が、教会にはもう通っていないとされています。さらに、あるデータによれば、毎週教会に通っているクリスチャンでさえ、75%は、聖書的なクリスチャンとは言えない、とされています。日本は人口1%以下のクリスチャンで、活動しているのはその半数以下とされています。世界を見渡せば、一部の地域では一度に何万人ものバプテスマを見られる状況ですが、今日、欧米、先進国のアドベンチストでも救霊には非常に苦労しています。どうしてでしょうか?

世俗化の欧米では

実のところ、世俗化が進む欧米では、「ポスト世俗化(Post-secularism)」に突入しているという視点もあります。ポスト世俗化とは、既存の組織化された宗教生活をしなくても、宗教心は強いとするものです。言い換えると、「霊的」なのに宗教の伝統にはこだわらない人です。矛盾にも見えます。ですから、多種多様なタイプのクリスチャンがいて、「何でもあり」的な時代とも言えそうです。

霊的飢餓の日本人

一方、無宗教国と理解されている日本も、今までなかったほどに、霊的な飢え渇きを覚えているようです。例えば東日本大震災直後、メージャーな各社雑誌が宗教や霊性などについての特集を組み、僧侶たちが被災地に向かってお経を唱える姿に、人々は癒されたり等、霊的変化を感じます。近年、多くは「真理」など胡散臭いと考えているのに、「本物」の神体験や、「実際」の霊的経験には強く反応しています。これはキリスト教だけはないようで、一部の檀家も崩壊していることから、伝統にこだわらない体験主義の流行りにも見えます。その対極には、経験を切り離した(極端なアドベンチズムも含む)真理、形式、伝統のみを追い求めるものがあります。しかし、両者は正しくないでしょう。おそらくアドベンチストは、もう一度、自分自信を吟味し、真理こそ本物の経験になっていくような信仰でありたいものです。聖書的な生き方には、真理と経験の両方が上手くブレンドされています。

今どきの人へ

霊的に飢え渇きながらも、伝統や型としての宗教にこだわらない今どきの人々に対して、セブンスデー・アドベンチストは、どのように彼らと絆を結べるのか?どうやって彼らの信頼を築き、どう永遠の福音を届けられるのか?祈りながら探ってまいりましょう。(文責:小原望)

参考文献:Russell Burrill, How to Grow An Adventist Church: Fulfilling the
Mission of Jesus (2009)、島田祐巳著『宗教消滅』(2016)