セブンスデー・アドベンチスト教会

祝福のトップダウン

祝福のトップダウン

「しかし、このことは、『目が見もせず、耳が聞きもせず、人の心に思い浮かびもしなかったことを、神は御自分を愛する者たちに準備された』と書いてあるとおりです」(1コリント2章9節)。
2008年を最後に、私たちの教会は年間300人をキリストに導くことが難しくなってきておりました。2009年261人、2010年283人、2011年237人、2012年229人と教会の救霊力は失われて行っているように見えます。しかも、教会に直接奉仕する牧師の数も現役、名誉牧師合わせて同様に減少しておりました。2008年125人であったのが、2009年104人、2010年89人、2011年89人、2012年83人といった具合です。
しかし2012年、翌年2013年に向けての大きな祝福のトップダウン的機会が日本教団に与えられたのです。北アジア太平洋支部の大都市伝道対象都市として東京が選ばれたのです。支部の推薦を世界総会が承認し、大きな挑戦と機会とが上から、つまり天から与えられました。
クリスチャンの生活、人生というのは実にトップダウン(上意下達)であるべきだと思います。神のみ心に全的に明け渡していくことこそ私たちの信仰生活の真髄です。大都市伝道、TOKYO13は、日本の教会が望んだものではありませんでした。人間的な発想のどこに、救霊力が衰え、牧師の人数が減少している中で、この大きな挑戦に自ら手を挙げることなど生まれ得るでしょうか。しかし、ずっと777の祈りを通して、日本の教会のリバイバルと改革を祈り求めてきた私たちは、この挑戦を天よりのプレゼント、千載一遇の機会として受け入れたのです。
そして2013年、TOKYO13の年、牧師の数は86人でしたが246人の方々が救われ、翌2014年、各教区が都市伝道を展開した年には、77人の牧師で283人の方々が救われ、さらに2015年、全日本15と銘打って全日本の教会が救霊に挑戦したとき、68人の牧師で328人の方々をキリストに導くことができたのです。300人救霊の回復が成し遂げられました。
救霊は、牧師の数によるのではありません。信徒も共に働くとき、多くの実を見ることができるのです。教会が祈り、心と力を合わせてキリストを証しするときに、聖霊は働いて多くの人々をキリストに引き寄せられるのです。救霊は神の祈りであり悲願だからです。
「だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。……わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイ28章19、20節)。キリストは救霊の使命に生きる教会といつも共にいると約束してくださいました。そして、さまざまな祝福の機会を提供してくださいます。2018年、世界総会総理が一緒にこの日本での救霊活動に参加してくださることになりました。日本の救いを祈り求めてきた私にとって、この提案はまさに天からの祝福のトップダウンなのです。

教団総理 島田真澄 アドベンチスト・ライフ2016年8月号